天才たちの日課 〜天才たちが取り入れていた習慣3つ〜|日本語3.0

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天才たちの日課 〜天才たちが取り入れていた習慣3つ〜

今日ご紹介する本は「天才たちの日常」という本で、作家、音楽家、画家、科学者(発明家)などあらゆる分野で突出した成果を挙げた天才たちが取り上げられています。
『天才たちの日課〜クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々〜』


天才と聞くとあなたは狂気じみた才能と集中力で独創的な成果物を生み出す、
もしくは生まれつき備わっている発想力と才能で常人には真似できない発見や事業を立ち上げる、

そんなイメージを持っているでしょうか。
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この本はそんな古今の天才たちのイメージを覆す、天才たちの習慣のみを取り上げたユニークな内容です。

というのも歴史に名を残す、もしくは世界を変えるような発明をした天才たちは驚くほどに通った生活習慣を送っているのです。

今回はそんな天才たちの生活習慣から共通しているものを取り上げてみました。
共通していた項目は以下です。

1、決まったルーティンがある。
2、兼業をしている。
3、運動習慣がある。

順に見ていきます。

1、決まったルーティンがある
ほとんどの天才に共通していた習慣は毎日決まったルーティンを愚直に守り、継続させている点です。

天才と聞くと破天荒で一風変わった趣味などを持っているイメージがありますが、彼らの日常は驚くほど平凡で、朝起きる時間も食事の時間も1日の作業時間も寝る時間もほぼ毎日決まっています。

ベートーヴェン
・夜明けに起床しすぐに仕事を始める
・2時か3時まで仕事し、そのあとはずっと散歩
・夜は新聞を持って居酒屋へ、もしくは家で就寝まで読書
(夜に仕事をすることはほとんどなかった)

ベンジャミン・フランクリン
・5時起床、朝食
・8時から仕事
・5時に仕事を終え、6時に夕食、音楽を聴く
・10時就寝

アインシュタイン
・午前9時起床、朝食
・新聞を読む
・10時過ぎに大学の研究室へ
・午後1時まで勤務
・1時過ぎに帰宅し、昼寝
・その後仕事の続きをしたり、来客対応

村上春樹
・朝4時起床
・昼まで執筆
・午後はランニングか水泳
・運動後はジャズを聴くか読書
・9時に就寝


天才は夜型だとか言いますが、本書で紹介されている例はどちらかというと朝型の方が多いように思いました。

朝型
・ベートーベン、村上春樹、フランクリン、フランシス・ベーコン、トーマス・ウルフ(作家)

夜型
パブロ・ピカソ、トム・ストッパード(劇作家)、クヌート・ハムスン(作家)

ピカソは昼過ぎまで寝て2時にアトリエに入り、それから夜まで書き続けたとのことです。

大半は現代人と同じように7時から8時に起き、9時から仕事を始めていました。

大事なことは朝方か夜型かではなく、自分にとって最適なリズムを送ることです。


2、兼業をしている
次に意外だったのは天才と呼ばれている人の多くは兼業をしており、副業の方で成功している例が多くありました。

例を挙げると、以下の人物がそれに該当します。

フランツ・カフカ(作家)→公務員(本業)
アガサ・クリスティ(作家)→主婦(本業)
トーマス・エジソン(発明家)→若い頃は鉄道員、後に会社経営をしながら
村上春樹(小説家)→若い頃は飲食店経営(本業)

トニー・モリソン(黒人女性初のノーベル文学賞受賞)は9時から5時まで勤めに出ながらの執筆活動であったし、カナダ人作家のアリス・マンローは3人の育児をしながら生計を立てるために小説を書き始めたということです。

日本人でノーベル賞を受賞した田中耕一さんも会社勤めをしながらの研究活動でした。

専業だったのはピカソ、ヘミングウェイ、カント、シューベルト、ベートーベン、フロイトなどかなり少数派で、しかも専業の人たちも大学の講義や患者さんの診療などをこなしながらの自身の活動でした。

モーツァルトもパトロンへのピアノ教室で生計を立てており「作曲に十分な時間が割けない」と自身の日記で嘆いていたようです。


なぜ天才たちが兼業していたのかというと理由は3つ考えられます。

1つは単純に金銭面です。

固定概念を打ち破る発明や創作物を完成させるためには膨大な時間と情熱を費やさなければなりません。

自身の活動を続けるための生活資金も必要になってくるため、パトロンが必要になってきますが、当然全員が全員最初からうまくパトロンを見つけられるわけではありません。

自分が自分のパトロンとなり、生活費を稼ぎつつ創作活動を行うことでうまくいかなかった時のためのリスクヘッジをしていたのでしょう。


一方で意外なことに副業で成果を上げて収入が得られるようになっても本業を辞めていない人も多いのです。

どういうことかというと二つ目の理由、つまり体力面が挙げられます。

特にクリエイティブな作業というのは脳を著しく消費します。

1日に出てくるアイデアの量は限られている上、浮かんだアイデアを形にしていくのは大変な困難が伴います。

脳を使うということは体力を使うので、1日に作業できる時間はそう長くないのです。

本書で取り上げられている天才の中で365日、1日8~10時間も作業できている人はいませんでした。

そこで創作活動以外の時間はあえて分野の違う仕事をしてリフレッシュしながら身銭を稼いでいた人も多かったのでしょう。

天才たちが兼業をしていた理由の3つ目はメリハリを効かせるためだと考えられます。

「もっと時間があれば成功できるのに」

あなたはそんなふうに思ったことはないでしょうか。

しかし、一方であなたは休日「よし今日は語学の勉強に時間を充てるぞ!」と息巻いても結局夕方までダラダラしてしまったという経験もあるのではないでしょうか。

そう、人間は時間やお金が十分にある状態だとそのありがたみがわからず、ついつい無為無策に使ってしまう弱い生き物なのです。


現にあるスタートアップ企業が大量の資金調達に成功し、時間もお金もありまる状態のまま始めたにも関わらず、時間とお金を無駄に使い倒産してしまったケースは多々あります。

逆に会社勤めをしながらブログやYoutube、インスタグラムで情報発信をして成功を収めてる人もいますが、時間の制限がある方が時間のありがたみがわかり有効利用できるものなのです。


「お金、時間がないから成功できない」

そんな考えを改め、「午後から仕事だから午前中は集中して動画を作ろう」とメリハリをきかせて隙間時間を有効活用するよう心がけましょう。


3、運動習慣がある
本書で取り上げてある天才たちのおそらく1番の共通点はズバリ運動でした。

前述しましたが、ベートーベンは午前中の仕事後、午後は数時間の散歩に費やし、村上春樹は毎日のランニング、時に水泳する習慣がありますが、運動習慣を取り入れている天才は多くいます。

運動といっても筋トレや水泳など激しい運動ではなく散歩で、散歩の習慣を取り入れていた天才はとても多くざっとみただけで以下の人がいました。

ベートーベン(作曲家)、チャイコフスキー(作曲家)、チャールズ・ディケンズ(作家)、村上春樹(作家)、ショパン(作曲家)、キルケゴール(哲学者)、エマニュエル・カント(哲学者)、トーマスマン(作家)、フロイト(精神学者)、フランツ・カフカ(作家)

チャイコフスキーは毎日40分、チャールズディケンズに至っては毎日3時間散歩をしており、本書では取り上げられていないスティーブ・ジョブズは大事な商談をするときは必ず散歩に誘っていたという逸話も残っています。


運動の効用は精神面、健康面、知能面など多岐に渡り、かつ多大な恩恵があることはさまざまな研究で明らかになっていますが、昔から聡明な天才たちはそのことを理解し、実践していたのだと考えられます。

天才たちが運動を生活習慣に入れている理由も3つ考えられます。

まず、1つ目の理由は体力づくりです。

クリエイティブな仕事は大量に脳のエネルギーを使うため体力が必要であることは述べましたが、その体力づくりのために毎日欠かさず運動を行っているのだと考えられます。

天才たちが運動を習慣にしている理由の二つ目は脳を活性化させるためです。

運動が知能に及ぼす効果は数多の研究で明らかになっています。

あなたは家を出てしばらく歩いて初めて忘れ物に気付いたという経験はないでしょうか。

もしくはデスクでずっと頭を悩ませてもアイデアが出なかったのにデスクを離れて別の作業をしているうちにアイデアが浮かんだ経験などはないでしょうか。

なぜそんなことが起こるのかというと運動すると血液が循環し、脳に血液と酸素が行き届き脳細胞が活性化することで気づきやひらめきが得られるからだと考えられます。

天才たちが激しい運動ではなくあえて散歩をする理由は思考を整理できるからでしょう。

つまり、彼らは散歩している間も頭の中で自身の作品作りをしているのです。

そのためかチャイコフスキーやアインシュタインなどは散歩中にもメモを持ち歩き、浮かんでくるアイデアを記録していたそうです。

AmazonやGoogleなど世界のトップ企業の社内にはボルダリングやエアホッケーを行うレジャー施設がありますが、あれはアイデアを出すためには理にかなったものなのです。

天才たちが運動を欠かさない3つ目の理由は精神を安定させるためです。

運動するとセロトニンが分泌されて精神も安定する効果があることは知られていますが、一日20〜30分の運動でなんと抗うつ剤1本分の効果があるとのことです。

毎日困難な創作活動で心が折れそうになりつつも運動し、精神を安定させることで持ち直していたのでしょう。

*運動の驚くべき効果について述べた本はこちら
「脳を鍛えるには運動しかない」


本書を読んでいただければ天才は必ずしも先天的な能力や才能だけで成功したわけではなく、後天的に自ら考え実践した習慣によってもたらされたと理解してもらえると思います。

あなたもできるところから実践すれば天才とまでいかないまでも今いる職場や業界のトップにくらいならなれるかもしれません。

2023.01.22 | コメント(0)
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