昨今、SNSを見ていると副業ブームにわいています。
ネットでスモールビジネスが始められるようになり、起業へのハードルが下がったことが要因です。
一方、ハードルが下がったとはいえゼロイチ起業というのは過酷なものです。
VCが1000の企業を投資検討し、選別して投資が実行されて上場まで行けるのはそのうちの2〜3社だと言われているほどです。
VCというのは年がら年中市場調査をし、その中で勝つ見込みのありそうな企業を選別し、投資の有無を決めているプロの投資家軍団です。
そんなプロ集団が見込んで出資した企業でも成功確率はわずか0.3%なのです。
一度成功してもその先も茨の道です。
経済産業省の調べによると5年後に残っている会社は42%で、10年後の残っている会社は25%、4分の一以下です。
実力や熱意があってかつ運やタイミングにも恵まれて起業した起業家たちが全力で戦ってこの結果なのです。
ゼロイチ起業はよほどの熱意があって継続力がなければ難しいということがわかってもらえたかと思います。
そこで推奨されているのがこの本に書いてあるM &Aです。
ゼロイチ起業を目指して数百万、数千万損するならうまくいっている会社を買えばいいという提案がしてあります。
これだけものとサービスが溢れている現在、全く世に存在していないサービスやものを生み出すというのは至難の業で、すでにある会社を買って運営する方が時間もお金もかからないし、リスクも少ないということです。
とはいえ
「業績を出している会社を買うなんてできるわけない」
そう思っている方も多いことでしょう。
ところが、そうでもありません。
ご存知の通り、日本は空前の人手不足で、何も労働者不足だけではなく帝国データバンクによると国内企業の3分の2にあたる66%が後継者不足であることがわかっています。
東京商工会議所の調べによると2013年から15年までに廃業した会社のほぼ半分が黒字倒産していますが、この中にも後継者不足からやむなく決断を迫られた企業も多くあったことでしょう。
そんな会社の社長は
「技術やノウハウを絶やさず継承するために安くてもいいから買ってくれ」
と思っているのですが、そもそも会社を買うという発想を持っている人がいません。
あなたやあなたの周りで「会社を買おう」と真剣に考えている人が一体どれだけいるでしょうか。
近年、会社を買うというのは思いのほかハードルが下がってきているのです。
あの世界的企業のGoogleでさえゼロイチ起業は最初だけであとはほぼ企業買収で業績を伸ばしています。
会社を成功させ続けるにはうまくいっている、またはうまくいきそうな事業を買収していくことが成長やリスクヘッジにつながっていくのです。
難易度の高いゼロイチ起業に挑戦して数百万、数千万円失うより、多少無理をして資金を用意してでもすでにうまくいっている会社を買った方が成功する確率は高いかもしれません。
車輪の再発明をする必要がなく再利用していきましょう。