複合語とは何か 2 〜複合動詞と複合形容詞とは〜|日本語3.0

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複合語とは何か 2 〜複合動詞と複合形容詞とは〜

複合語とは単体で意味がわかる語(自由形態素)の組み合わせで、複合語の中にも名詞と名詞の組み合わせである「複合名詞」と「複合動詞」「複合形容詞」があることについて述べました。

複合語とは何か 〜複合名詞の組み合わせについて〜
http://hayato55.com/article/181852063.html

前回の記事では複合名詞について触れたので今回は複合動詞と複合形容詞について詳しく説明します。

1、複合動詞

<(動詞+動詞)型>
複合動詞の中で最も数が多いのがこの(動詞+動詞)型で、前後の組み合わせが固定されている語彙的な複合動詞と自由に組み合わせが変えられる文法的な複合動詞とに分けられます。

語彙的な複合動詞の例として以下のようなものがあります。
・立ち止まる、名乗り出る、走り込む、吐き捨てる

これらは基本的に組み合わせが決まっており、自由に組み合わせることができません。

一方、文法的な複合動詞としては
・歩き始める、書き忘れる、見続ける、支え合う

これらは以下のように比較的自由に前後の語彙を組み合わせることができます。

〜始める
・走り始める、笑い始める、流れ始める、

〜忘れる
・見忘れる、置き忘れる、言い忘れる

語彙的複合動詞と文法的複合動詞の見分け方として一つには後部動詞に「〜のを」と共起でき、格関係を形成できるか否かで判断できます。

文法的複合動詞
「(〜のを)忘れる」「(〜のを)続ける」「(〜のを)終わる」

語彙的複合動詞
「(〜のを)止まる」* 「(〜のを)込む」*


<(名詞+動詞)型>
名詞と動詞からなる複合動詞はさまざまな格関係を省略したものです。

波立つ(波が立つ)、習慣づける(習慣をつける)、鞭打つ(鞭で打つ)、先立つ(先に立つ)

<(形容詞+動詞)型>
前部の形容詞の語幹に動詞が結びついたものがこの組み合わせです。

・暑すぎる、多すぎる、可愛すぎる
・近づく、長引く、若返る

<(副詞+動詞)型>
副詞と動詞の組み合わせは以下の「する動詞」です。

・ニコニコする、スッキリする、はっきりする


2、複合形容詞
<(形容詞+形容詞)型>
形容詞の語幹と形容詞が結びついたものです。

・細長い、甘酸っぱい、暑苦しい

この組み合わせの特徴として「〜くて」すなわち付帯状況をとることができます。

・細くて長い、甘くて酸っぱい、暑くて苦しい

<(名詞+形容詞)型>
(名詞+形容詞)型の組み合わせは後部がイ形容詞かナ形容詞に分けられます。

・肌寒い、誇り高い、耳新しい、
・女好きな、気楽な

<(動詞+形容詞)型>
(動詞+形容詞)型の複合語は「〜やすい」「〜にくい」「〜がたい」数は限られますが、さまざまな組み合わせが可能です。

・食べやすい、書きやすい、歩きやすい
・食べにくい、見にくい、使いにくい
・許しがたい、信じがたい

<参考文献>


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2022.02.14 | コメント(0)
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