格助詞とは何か? 〜なぜ「は」は格助詞ではないのか〜|日本語3.0

インフォメーション

格助詞とは何か? 〜なぜ「は」は格助詞ではないのか〜

格助詞とは「が」「を」「に」「で」「と」「から」「まで」「より」「へ」の9つの助詞のことで、その意味は広辞苑によると

「助詞の分類の一つ。主として体言につき、その体言と他の語との格関係を示す助詞」

とあり、日本語の文法書では

「名詞につく『が』や『から』は格助詞と呼ばれ、述語の意味によってさまざまな役割で使われたり、それ自身が色々な意味を持ったりしながら、それぞれの名詞句を動詞などの述語と結びつける働きをしています。」『日本語文法ハンドブック』p16

と説明してあります。

ですが、これでは何のことかわかりません。

例文を用いて理解を試みましょう。

・パト マセイヨ ジダ クスクス 食べました。

これだけでは何を言いたいのか全くわからないと思いますが、こうするとどうでしょうか。

・パトがマセイヨでジダとクスクスを食べました。

こうすると何となく意味がわかったのではないでしょうか。

パトという人物がマセイヨという場所でジダという人物とクスクスという食べ物を食べた、ということがイメージできたかと思います。

*実はこれらは全て実在する人物ともので「パト」と「ジダ」はブラジルのサッカー選手、マセイヨもブラジルの都市で、クスクスはブラジルの名産物です。

このように名詞に付属することでどこ「で」食べたのか何「を」食べたのか、「食べた」という述語が行われた場所や対象、主体がわかります。

これが「述語との関係を表す助詞」ということでその助詞のことを格助詞と言います。

「は」は格助詞じゃないの?

ここで「は」はどうなのかと思った人もいるかもしれません。

「は」も「が」と同様、主語になる場合だってあるし、述語との格関係を表す物じゃないのか、と考えることもできそうですが、「は」は格助詞ではありません。

上の文を以下のように変えてみましょう。

クスクスはパトがマセイヨでジダと食べました。

前述の通りクスクスは食べ物なのでクスクスが何かを食べたわけではありませんが、クスクスを知らない人がこの文を読めばクスクスという人が何かを食べた、つまり主語だと思ってしまうことでしょう。

この「は」は「を(対象)」をテーマとして取り上げた「主題(〜について言えば)」の役割を果たします。

最初の文をこう変えてみましょう。

マセイヨではパトがジダとクスクスを食べました。

このように場所の「で」も「は」がつくことで主題化できます

「クスクスが食べました」はすぐにクスクスが主格だと判断できますが「クスクスは食べました」はクスクスが対象なのか主格なのか判断できません。

格助詞の条件である「述語との格関係を表す」という部分を満たさないため格助詞とは言えないのです。

*格助詞の基本的な説明や役割について知るためには以下の本に詳しく載ってあります。
<参考文献>
『日本人のための日本語文法』 原沢伊都夫


<日本語教師へおすすめのイラストサイト>
無料イラスト素材【イラストAC】

2022.01.19 | コメント(0)
コメントを書く

お名前

メールアドレス(非公開)

ウェブサイトアドレス

コメント

この記事へのコメント
テキストや画像等すべての転載転用販売を固く禁じます
Copyright © 日本語3.0 All Rights Reserved.