<『アオアシ 25』>
この漫画は教育業、上司、指導者など誰かを指導する立場にある人にとってとても学びのある漫画なので是非一読することをお勧めします。
この先はネタバレになるので納得していただける方のみ読み進めていただければと思います。
<あらすじ>
ついにやってきた高校サッカー最高峰のプレミアリーグ決勝戦。
相手はほぼ負けなしの宿敵、青森に苦戦を強いられるアシトたちでしたが、名将福田監督が後半開始と同時に奇策を打ちます。
冨樫という超攻撃的センターバックをトップ下の位置に上げるというものです。
冨樫はもともと不良上がりでしたが、もって生まれた高い身長と体幹、幼少期から培った足元の技術を持っており、それを買われてユースにスカウトされました。
しかし、ユースのレベルの高さに阻まれ、試合に出られない日々を送ります。
そこで視野を広げる訓練を自主的に取り入れていったのです。
練習中もずっと常に首を振り続けどこにどの選手がいるのかを常に頭に入れる訓練をし、無意識にできるまで繰り返しました。
視野が備わったおかげで判断の速さとパス精度も上がり、次第にチームの中核的存在になっていき、この決勝でもDFとしてスタメン出場していたのです。
その冨樫が後半から急に前線に上がり、背丈の高さと体幹の強さを生かしてゴール前でボールをキープし、次々と精度の高いラストパスを放つ、この奇襲によって強豪国青森は大混乱に陥ります。
生まれもって備わっていた才能(体幹と長身)と訓練によって身につけた視野の広さで前半押されていたチームを危機から救ったのです。
<所感>
今回の話から得られる教訓は「ポジションをとれ」ということです。
現代サッカーはポジションに囚われることなくDFがFWの役割を果たしたり、左サイドのポジションの人が右サイドとコンバートしたりすることなんてざらです。
しかし、70年代くらいまでは棒で動かすサッカーゲームのようにFWは攻めるもの、DFは守るものとしっかりと決まっており、現代のようにサイドバックがオーバラップすることなんて信じられないようなことでした。
そこから相手の裏を描くために名選手たちが自分の能力に合わせて様々なポジションを作っていった結果サッカーが発展し、様々な能力を持った選手が活躍できるようになったのです。
過去の選手たちがみんなポジションの枠に囚われる選手ばかりだったら、棒で動かすサッカーゲームのようなサッカーのままだったでしょう。
これは何もサッカー界だけに限ったことではありません。
多くの人は自分の能力を無理やりポジション、職業に合わせようとするからうまくパフォーマンスを発揮できないのです。
先人のポジションを真似るだけであればそのポジションに特化した経験のある選手の方が有利に決まっているので、先輩が引退するか衰えるまでポジションを奪えないことになります。
僕は人の能力、才能と職業というものを以下のように捉えています。

上の図のように尖った部分が才能なのであって才能に合わせてポジションを作ることが自分のパフォーマンスを最大限に発揮することにつながります。
したがって自分の強みを生かした新しい職業、ポジションを見つける、または作らなければならないのです。
僕も数年前までは日本語教師として教壇に立っていましたが、他の先生のように学習者の誤答からどのような文法項目に引っかかっているのかを的確に見抜いてフォローするコーチングの能力が明らかに足りませんでした。
そこで自分で動画作成のスキルを身につけ動画教材を販売するという事業に踏み切ったのです。
これならコーチングのスキルは必要ありません。
現在、多くの人、特に若い人は上の高齢者の人にポジションを奪われている状態です。
会社も国も彼らを食わせなければならないので、なかなかクビにできず、ポジションが開かないのです。
したがって冨樫が視野を身につけて新たにポジションを切り開いたように自分の今の仕事と能力に何か別のスキルを身につけ、自分にしかできないポジションを見つけなければならないのです。
そのためには地道な努力が必要ですが、継続すれば競合のいないブルーオーシャンを見つけることができるでしょう。
それでは!