読後 「嫌われる勇気」 〜承認欲求が危険な理由〜|日本語3.0

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読後 「嫌われる勇気」 〜承認欲求が危険な理由〜


今日は本の要約です。

少し前に話題になった本で教育者や経営者はもちろん誰にとっても参考になる本だと思います。

「嫌われる勇気」


アドラー心理学という考えが基盤になっており、1人の悩める青年が哲学者に悩みを相談する形式をとっており、内容は

・トラウマや過去は存在しない。
・子供を叱ってもいけないし褒めてもいけない。
・今あなたが不幸なのはあなたが選んだから
・あなたは本当は成功したくない。


どれも結構衝撃的な内容ですが、読み進めていくと全部「なるほどな」と思えるものばかりで、ちゃんと理解して実行すれば悩みが自然に消えていきます。

本書にも触れてありますが、人の悩みの原因は100%人間関係です。


「そんなことないでしょ。『イケメンじゃない』『太っている』『人前で話すと震えが止まらない』っていう悩みは人から何かされるわけじゃなく自分自身の問題でしょう」

そう思う人もいるかもしれませんが、そうじゃありません。

(イケメンじゃなく、太っていて、人前で緊張してしまう)自分を他者にどう見られるのかが嫌だという悩みなのです。


ではどのようにして対人関係を考え、改善していけばいいのでしょうか。


本書の内容を簡単にまとめると幸せになるために養うべき感覚は共同体意識で、それを目指すために「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の三つの要素が必要になってくると言うことです。

 共同体意識とは自分が社会の一員であるという意識で、まずは自己受容(ありのままの自分を認める)、他者信頼(他人を信頼する)し、他者貢献の努力をしていくということです。

何を言っているのかわからないと思うので順に説明します。


<共同体感覚>

人間はなんらかの共同体に属し「私はここにいてもいいのだ」と感じることで初めて幸福を感じるものです。

共同体感覚とはなんらかの共同体に存在する人々は敵ではなく味方なのだという帰属意識を持ち、社会の仲間と互いに信頼、貢献しあい、支え合っている感覚です。

共同体といっても会社とか学校といった小さな組織では必ずしもなくもっと大きな概念で、誰もが対等な世界です。

共同体には競走や争いも存在しないためライバルも存在しません。

あなたは人と比べずあなたの人生の使命に向かって精進していけば全ての悩みや問題は無くなるのです。

対等であるため上司も部下ももちろん、大人も子供も女性も男性も対等です。

冒頭で「子供を叱ってはいけないし褒めてもいけない」という文言を本書から引用しましたが、この考えは共同体意識に基づいたものです。

なぜ褒めてはいけないのかというと「褒める」というのはあくまで上の立場の人から下の立場の人へ行うものであり、その時点で子どもを対等に扱っていないからです。

もちろん、体罰なんてもってのほかで子供を子供扱いせず、対等に接しなければならないというのがアドラー心理学の考えです。

この誰もが対等な共同体感覚を身につけるために大事になってくるのが次の3つの概念になります。


・自己受容

 自己受容とは今の自分を認めることです。

例えば本書では好きな男性に想いを伝えようとする赤面症の女性の例が挙げられていましたが、自己受容ができないと「ああ、赤面症が治ったらいいな。告白しても赤面症が出て」と思ってしまいます。

しかし、哲人は言います。

「彼女は本当は赤面症を必要としているです」

哲人によれば彼女は赤面症という理由があるかぎり告白せずに過ごし、振られて傷付かずに済むと言うことです。

「成功するために副業したら?」

とそう勧めても「家族がいる」「お金がない」そんな理由でやらない人が多くいますがこれも同じでつまり彼らはそれらを理由にしていれば失敗しなくて済むため精神の安定が保たれます。

失敗して惨めな思いをしないために必要な言い訳をこしらえているということです。

「俺は成功できるけど、家族が反対するから」

そう思って目の前の京楽に興じるのがそういった人たちの特徴です。

少しそれましたが、何が与えられているかではなく与えられたものをどう使うかが大事で、そんな自分を認めてあげることが最初の一歩なのです。


先ほどの赤面症の女性の話なら赤面症であるという事実を受け止め、それを改善するために人前でスピーチの練習をするなり、赤面症を気にしない男性と付き合えるように努力すれば良いということです。

ちなみに自己肯定という言葉がありますがそれとは少し違います。

自己肯定は今の自分を肯定することなのでそこには努力や成長の余地がありません。

劣等感を持つのは仕方がないことなのですが、人と比べる劣等感ではなく自分の理想の姿と比べて生じる劣等感が健全なのです。

なぜなら、理想の自分との比較で生じる劣等感は努力によって改善する余地があるからです。

挑戦して失敗してどんな姿になってもありのままの自分を認めること、それが共同体感覚を掴むためのファーストステップです。


・他者信頼

自分を認めた上で、他者をも信頼し受容する、それが他者信頼です。

念のために言っておきますが、詐欺っぽい話でも何でもかんでも信頼してお金を払ったり、貸したりしろという話ではありません。


身近な人、家族や友人に他者に全幅の信頼を寄せることで初めて対等な関係を結べ、共同体感覚が持てるようになるのです。

この記事を読んでいる人の中には子育てをしている親御さんや後輩や学生を指導している教師やコーチ、上司もいるでしょう。

中には「子どもや学生がいうことを聞かない」と悩んでいる人も多いかもしれません。

初めての親体験でしかも我々世代はいうことを聞かなければ場合によっては殴られたり蹴られたりして聞かされたような時代です。

しかし、そこは安易な手段に逃げず、子ども、学生を信じることです。

子どもたちだって環境や状況、あなたに対して訴えたい何かがあるのかもしれませんし、無条件に信じられたら子どももまた親御さんや指導者を信じざるを得ません。


子供をコントロールしたいというのはただのあなたのエゴであり、子供が反発するのも当然です。

子供や後輩に育って欲しかったら、ただ信頼し見守り役に徹しましょう。

信頼し、見守り、道を踏み外しそうになったら助ける、それが指導者が取るべきスタンスです。


ここで大切なことは相手が裏切るかもしれないとそう思い悩むのは辞めなければなりません。

裏切るかどうかは相手が決めることで相手があなたを裏切るか否かはあなたがコントロールできないので考えても意味がないからです。

アドラー心理学では課題の分離と呼ばれ、自分の課題と他者の課題を切り分けて考えることを鉄則としており、そう考えれば物事は驚くほどシンプルになるということです。


他者の課題には決して踏み入らないのと同様、あなた自身の課題にも決して他人に踏み入らせず自分の課題にのみ集中すべきなのです。



・他者貢献

他者を信頼し、仲間だとみなしたのちにすべきことは他者貢献です。

他者貢献を通して自分は他人、ひいては社会のために役に立っているという共同体意識を持つことができ、幸せになれるというわけです。


他者貢献をする際に最も障壁になるのが承認欲求です。

つまり「こんなことをすると褒められるのではないか、みんなから認められるのではないか」と言う他者からの承認を目的に動くことです。

承認欲求の何が危険かというと自分の人生が他人に取られてしまう点です。

先ほどの「子供を褒めてもいけない」というアドラーの教えは賞罰教育を施すと子どもは褒められるために動くようになり、将来承認欲求の奴隷になってしまうという理由もあるのです。

あなたは自己受容をした後、自分に与えられている能力の範囲で貢献していけば良いのです。

例えばあなたが家族の食事の後片付けや洗濯物をしているとき承認欲求が強いと「なんで私がやらなきゃならないの!?」「なんで誰も手伝わないの!?」と怒りながら作業をすることになります。


そこで怒りの感情が出るということは家族からの賞賛を求めている証拠であり、褒められることを目当てに頑張るとそういった気持ちは周囲に伝播します。

旦那さんや子供も不機嫌にお皿を洗っている人を手伝おうとする気力が失せるかもしれません。


ここでも大事になってくるのが先ほどの課題分離で自分の課題と他者の課題を切り分けて考えることです。

他者が自分のことをどう思うかではなく他者に何ができるのかを考え、行動に移すのです。

「褒められたい」ではなく最初は認められなくても勘違いであっても「自分は貢献している」という意識を持って仕事をすることこそが大事になのです。



他の例を挙げれば「子どもや学生が勉強しない、いうことを聞かない」と悩んでいる親御さんや教師がいますが、そもそも「言うことを聞く」「勉強をする」というのは相手の課題なのであなたが気を揉む必要はないのです。

教師、指導者は学生や選手を勉強、成長できる環境を作ることが大切なのであって本当は押し付けたりする権利はないのです。

ここでも他者の課題と自らの課題を切り分け、あなたが指導する立場なのであれば馬を引いて泉のそばへ案内し、水を飲むか否かは本人に任せれば良いのです。



<「自己受容」「他者貢献」「他者信頼」は循環するもの>

「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の順に話してきましたが、互いにぐるぐる回るものです。

「他者貢献」するから充実し、帰属意識を持つことができ「自己受容」につながる、
自分に与えられているものを「自己受容」するからこそ「他者貢献」できる

というような具合で、これを順に巡ることで共同体感覚を持つことができるのです。



本書の内容を簡単にまとめると

・人は誰しも共同体に所属しているという認識から幸せになれる(共同体感覚)。
・共同体にいる周囲の人は仲間であり、共同体に所属するためにあなたは他人と比べず今のあなたを受け入れ(自己受容)、他者を信頼して(他者信頼)、貢献していく(他者貢献)。
・貢献する際に承認欲求を捨てなければ見返りを求めて行う貢献は辛いだけ。


あなたが自分の共同体を目指して具体的な行動を起こしても必ず悪くいう人がいるでしょうが、そういった批判はつきものです。


だったらそんな職場や学校はあなたの所属すべき共同体じゃないし、そもそもその人たちもそこまで真剣にあなたのことを馬鹿にしたりしているわけではありません。

そんな人たちのことを気にかけて挑戦しないのはどう考えても損です。そんな人からは嫌われた方があなたの人生のためだと思って思うままに行動しましょう。

あなたの居場所は必ずあるはずですから、見つかるまで自分を認めてできる範囲で見返りを求めずに貢献、行動していきましょう。


そうすれば明日から人生が驚くほどシンプルになり、劇的に改善していくことでしょう。

それでは!

2021.04.27 | コメント(0)
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