読後 「イシューから始めよ」 〜イシューの設定を間違えれば不幸を撒き散らす〜|日本語3.0

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読後 「イシューから始めよ」 〜イシューの設定を間違えれば不幸を撒き散らす〜

今日の書評はビジネスパーソン、研究者必読の「イシューからはじめよ」です。

『イシューから始めよ』

著者の安宅さんは東大大学院を出た後マッキンゼーに入社し、イェール大学に入り、現在は慶応の大学教授でかつYahooジャパンの重役というものすごい経歴の人です。


一昔前までは会社に来て仕事したふりをしていれば給料をもらえていたのですが、
コロナ禍ではリモートワークが当たり前になり、その結果いらない仕事が可視化されました。


それにより、ジョブ型と呼ばれるいわば成果主義型の働き方が主流になっていくと思われます。


時間給でダラダラ働くのではなく限られた時間の中でより良い生産物を産出していかなければ生き残れない時代なのです。


そのために最も大事な概念が「イシューの設定である」ということがこの本の要旨です。


学校ではいかに早く正解を出せるかが求められますが、社会に出ると正解がない、またはいくつもある課題に溢れています。

どんなアプリが売れるのか、売り上げを伸ばすにはどうすればいいのか、どうすればSNSのフォロワーが増えるのか、などこれらの問いには正解がありません。


大企業の社員や官僚は有名大学出身ばかりの人で問われた問題に対して正解を導き出すのは得意です。

しかしその結果、アベノマスクのような愚策が立案され、敢行されました。

アベノマスク5260億かかったそうですが、どう考えても失策です。

なぜそんな失策をしでかしたかというと実行した人たちではなくアベノマスクという政策自体に問題があったからに他なりません。

このように優秀な人たちが集まっても解くべき問題を見誤るととんでも無い損失が出てしまうのです。

イシューが大事だということはわかってもらえたかと思いますので、これから1、良いイシューの条件、イシューの見つけ方について述べていきます。

1、良いイシューの条件は本質的であること

本書では良いイシューの条件として本質的であることを挙げています。

本質的とはいくつか選択肢があり、イシューの見極めによってその先に大きな影響が出るものがいいイシューであるということです。


例えばある商品が売れないとして最も本質的なイシューは商品のコンテンツに問題があるのか、販売方法に問題があるのかということだと考えられます。

どちらかでアプローチ方法が全然違うため、ここを間違えてしまうと全く無駄な時間と人員、費用がかかってしまうのです。

したがって常に原点、本質的な部分に立ち返って常に「この前提は正しいのか」「常識にとらわれすぎていないか」自らに問い続けなければならないのです。

また、大前提の話としてそのイシューが解決できそうなものであるかどうかも大切です。

科学の分野では多くあり、双眼鏡を作れるような技術力がその時になければ地動説発見には至らなかったでしょうし、スマホもソニーの半導体がなければ開発は難しかったでしょう。

このように解決したい問題があっても解決手段となる技術がなければ解決しようがありません。


したがって理想的なイシューは「本質的であり誰もが答えを出すべきだと感じていても手がつけようがないと思っている問題に対して自分の手法であれば答えが出せる」ということになります。


2、イシューの見つけ方

では、具体的に良いイシューはどうやって見つければ良いのかというと現場に赴くことです。

現場こそ1番顧客に近く切実なニーズが汲み取れる場所で、まだ世間の誰もが知らない一次情報が汲み取れる場所だからです。


しかも、あなたの観察によって発見した一次情報であればオリジナリティもあり、前述した「誰もが答えを出すべきだと感じていても手がつけようがないと思っている問題に対して自分の手法であれば答えが出せる」イシューを設定することができます。


こうして良いイシューを見つければ割と答えは見つかったも同然です。(まあ、それでも大変と言えば大変なのですが)

アインシュタインも

「もし自分が死にそうになって助かる方法が1時間あるとするならば最初の55分は質問を探すのに費やすだろう」

と述べています。

しっかりと理想の姿を自分なりに思い浮かべ、試行錯誤していけばあなたの成果物の質は爆発的に上がるでしょう。



3、所感

「良いイシューを作る」

この言葉はありきたりなように聞こえるかもしれませんが、実は多くの会社組織でできていません。

僕は数年前までいくつかの日本語学校で日本語教師をしていたのですが、いわゆる出稼ぎ留学生に支えられた学校で多くの学生が 初級レベルのまま卒業していきました。


他の先生方は全くどうやって良い授業ができるのかばかり議論していました。

しかし、問題は授業にあるのではなく構造にあったのです。

つまり、授業以外の時間もずっとアルバイトに明け暮れているため授業に来ても寝てしまい、頭に入らないのです。

また、一斉授業であるためそんな日が数日続くと基礎がなっていない学生はどんどん取り残されていき、

イシューの設定を間違えた結果、初級レベルのまま多くの留学生を卒業させている日本語学校は多くあります。

日本語学校だけでなく教科書の内容が入らないまま、英語が全く話せないまま卒業させている日本の多くの学校にも同じことが言えます。

日本の教育機関は正しくイシューを設定できておらず、それが原因で何年も生産性のかけらもないことをやって多くの学生と自らの時間を無駄にしているのです。

正しいイシューを設定してそこからやるべき仕事を見つけていきましょう。

それがこれからの成果主義時代に生き残るための指針です。

それでは!

『イシューから始めよ』

2021.03.30 | コメント(0)
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