コロナ後の日本語教師はキャリアをどう積むべきか。|日本語3.0

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コロナ後の日本語教師はキャリアをどう積むべきか。

またまた緊急事態宣言が出てしまいましたね。

観光業、飲食業は売り上げ90%減など壊滅的な数字が並んでいますが、日本語業界もまさにその煽りを受け、生徒数が1割も満たない学校も続出しています。

全国200校余りの日本語学校で受け入れ予定だった留学生の8割にあたる1万1600人余りが来日できず多くの日本語学校が倒産の危機に瀕しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200424/k10012404691000.html

今は雇用調整助成金などが入っていますが、これがなくなった場合半分以上の日本語学校が倒産するかもしれません。

その時転職しようにも職がない恐れもあります。

最悪の事態になってから泣きを見るのは避けたいものです。

自分で道を切り開く姿勢こそが真の安定につながるのだと認識して正しい方向で努力していきましょう。


ということで今日は大まかな予想ととるべき方向について私見を述べようと思います。

まず状況を整理しましょう。

以下にあげる3つの状況を受け止めなければ今後あなたの待遇が上がることはないのでしっかりと抑えておいてください。


<コンテンツの価値の低下>

これはいつも指摘している点ですが、学びやエンタメのコンテンツというものは全て無料化に向かっています。

学校の勉強も映画もアニメもYoutubeやネットフリックスなどで無料もしくは安価で見られるようになっています。

日本語なんて従来のように高い学費を払わなくてもYoutubeやアプリで無料で学べるようになっているのです。

そうでなくても日本語教師の約6割がボランティアなので、日本語を学ぶためにかかる単価が限りなく無料化してますし、コロナ禍関係なくこれからもこの傾向は変わりません。

そうでなくても日本語学校の多くの学生たちは東南アジアなど決して裕福じゃない学生が多いので日本語教師の給与を上げるためには学費を上げるというのは現実的ではありません。

学校で行われている一斉授業はそもそも学習効率が悪く、できる学生にとっては退屈でつまらなくできない学生はどんどん置いていかれる。

優秀な人はむしろ学校に来ず無料コンテンツで自主学習に流れるでしょう。


<日本語の価値の低下>

これまで日本が好景気の時は留学生が日本語を覚えて日本企業で正社員などになれればそれに費やした時間も費用も余裕で回収できたのです。

N1レベルの日本語を覚えなくても出稼ぎに来て単純労働をこなして祖国に数万円送るだけで家が立つほどの価値がありました。

しかし、近年日本の経済が衰退していくのと同時に他のアジア諸国が発展していくにつれ、日本に来る旨味がなくなってきました。

加えて従来は中国からの留学生が主でしたが中国の発展に従って来日する留学生が減り、代わりにベトナムやネパールなど非漢字圏の学生が多くなってきました。


しかし、学生にとって日本語の学習、特に漢字の学習は漢字圏の学生のそれとは比較にならないほどの困難が伴います。

そこまでして日本語を頑張って勉強したところで就職できるほどの日本語力を身につけるのは困難で、身につけたところで就職できないのです。


現に学校を卒業してきちんと企業に就職できた非漢字圏の学生は体感でですが、非漢字圏の学生より圧倒的に少ないです。

卒業しても就職できず近くの簡単に入れそうな学校を転々としてずっと軽作業のアルバイトをしている学生も多くいます。

日本には悪名高い新卒一括採用や独特の就活文化がはだかり、さらに就職できたとしても日本企業の文化に馴染めずすぐに退社した人もいます。

さらにさらにコロナ禍で倒産が増えれば失業者の受け皿となっていた低賃金の軽作業の仕事すら無くなってしまうかもしれません。


また、経済規模の縮小はもちろん人口の縮小と相関関係にあります。

これまでは日本語を習得することで1億人相手にビジネスができていたのですが、ご存知の通り日本は人口減社会で1年で50万人がいなくなっている国です。

しかもその多くはおじいちゃんとおばあちゃんです。

就職もできない、人も減っている国の言語を覚えようとしてくれる学習者が今後増加するとは考えにくいでしょう。

あなたが人口の少ないパプワニューギニアの言語を頑張って覚えようとするかどうか考えたらわかるはずです。



<正社員、雇われの危うさ>

今コロナ禍で倒産の危機に瀕していますが、経営者目線で言うとこういったことがあるとあまり固定費を払いたくありません。

つまり、正社員を雇いたくないのです。

アメリカではすでにフリーランスが35%だという話もありますが、必要な時に仕事を発注するという方が効率的でリスクもないのです。

いろんなところで言われていますが、正社員なら安定という信奉は早めに捨てた方が良さそうです。


<結論>

これらの事実を踏まえると無料で日本語ができるようになっており、日本企業への就職も厳しい中、日本に就職目的で来る留学生は減っていきますよと。

従ってネットを使って集客なり無料コンテンツを作っていきましょうという結論になります。


外国語を学習する際に動機付けが大事で、動機付けには統合的動機と道具的動機という言葉がありますが、これからは道具的動機で日本語学習を始める人は少ないと考えられます。

安上がりの旅行目的でくる学習者に対してコンテンツを作った方がいいでしょう。

日本語学校にお勤めの先生はこういった不安定な立場にいるということを認識した上でしっかりと上の作業をこなしていった方がいいと思われます。

どうしても時間ができない人は非常勤講師になって時間を作ってください。


前述しましたが、コロナ禍を乗り切ったとしても今日述べたような内容は変わりません。

いつ何が起きてもいいようにしっかりと自分の足で立つ土壌を作った方が身のためです。

それでは!

2021.01.29 | コメント(0)
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