授業をしない塾が流行る理由 〜授業をしない日本語学校の台頭!?〜|日本語3.0

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授業をしない塾が流行る理由 〜授業をしない日本語学校の台頭!?〜


みなさんは「授業をしない塾」という塾があるのをご存知でしょうか。

武田塾がそれで授業をせずに勉強方法を教えたり、進捗具合を管理し、学生のモチベーションを維持することで学習効果を飛躍的に向上させることに成功しました。

武田塾
https://www.takeda.tv/

武田塾は「授業しない塾」の他にも「自学自習」「一つの問題集を完璧に」を謳い文句にフランチャイズ契約をして、全国展開し、ぐんぐん業績を伸ばしています。

少子化に伴い大手の河合塾や代々木ゼミナールが教室を閉め、大学も定員割れになる中での快挙です。

この武田塾の創設者はYoutubeの令和の虎にも出演している林尚弘氏で、金払いのいい陽気な社長として人気を博しています。

令和の虎で彼の金払いの良さを見ている人なら、いかに武田塾が儲かっているか推察できるでしょう。

この本に武田塾を始め授業をしない塾が躍進した理由が書いてありますので今回はこの本の内容を要約しながら、なぜ授業をしない塾が台頭しているか理由を述べます。

また最後にそれを踏まえて僕は日本語学校や日本語教室も塾業界の流れを組み、フランチャイズ形式になると考えていますが、その理由について述べようと思います。

『代ゼミが負け、東進が勝ち、武田塾が伸びる理由』


「授業をしない」「自学自習重視」と聞くと奇抜な印象を受けますが、実はとても理に叶った方法なのです。

林塾長も現役時代から浪人時代まで合わせて4年予備校に通ったそうですが、結局成績は思ったほど伸びず、結局学習院に通うことになったということです。

林塾長は当時数十万も払っていい授業をいくつも受講聞いたはずなのになぜ思うように結果が出ないのだろうと自問自答しますが、仲の良かった予備校の担任の先生の戦略に乗せられていたのだと気づいたそうです。

つまり、既存の予備校は授業を受けさせると儲かる仕組みになっているためその学校の先生は学生の学習効率よりも営業して授業を受けさせることが目的だったのです。

林学長はこの事実を知って愕然として受験生の苦労や人生を踏みにじるような利益重視の既存の予備校の構造を変えたいと二十歳で塾を開業しました。


塾と言ってもネット上で勉強方法を公開し、学習進捗の管理や抱える悩みの相談に乗ると言ったものでそれこそがのちの武田塾の前身です。

すると瞬く間に評判になり、全国の私塾とフランチャイズ契約を結んでいき瞬く間に武田塾の形式が広まっていきました。

今では一斉授業をする塾は廃れ、2014年、代々木ゼミナールが全国27校のうち20校舎を閉めました。

いわゆる代ゼミショックで原因は少子化とそれに伴う浪人生の激減で代わりに7割の塾が個別指導かつ自学自習重視の教育に切り替えています。

なぜそうなったかというと学習効率の面と収益の面が集団授業よりも桁違いに効率的なのです。

1、学習効率の面

前述のようにかつて塾というものは大教室での集団授業が主流で、そのため代々木ゼミナールや河合塾などはそれぞれの教科のスペシャリストの講師をそろえてリアルタイムで授業をしていました。


そこに個別授業型の塾の先駆けが東進ハイスクールが風穴を開けました。


東進ハイスクールもそれまでは集団授業形式を取っておりいい講師を集めまくっていたのですが、あることをきっかけに個別指導へと方向転換したのです。

そのきっかけとはある東北の市での東進加盟校でのことで、小さな都市の小さな教室であるにもかかわらず、全国的に入塾者と継続者が突出して高かったそうです。

本部がその原因を探るとその加盟校では東進の衛星ライブ授業を録画し、欠席した人や授業を理解できなかった人に繰り返し見せていたのです。

今となっては授業を録画して何度も見る方がいいのは当たり前に思えますがリアルタイムの大画面で人気講師が授業する方が学習意欲も高くなると思われていた当時としては衝撃的でした。

衛星授業を録画してみせるというのはフランチャイズの契約違反に近いのですが、この録画システムが評判が良いためその塾はテレビデオを増やして、生徒がいつきても授業を見ることができる仕組みにしていったのです。

反対に大スクリーンで決められた時間に一度しか受けられない集団授業を受講する学生はいなくなっていったのです。

今はスタディサプリで時間だけでなく場所にもとらわれずに質の高い授業を何度も見れるようになってますが、そんな現代型教育の前身であったと言えます。

2、収益の面

個別学習塾が台頭した理由のもう一つは収益面です。

河合塾や代ゼミのようにたくさんの受験生を集めるためにたくさんの名教師を集め大画面、大教室を用意すると人件費、固定資産税、家賃と莫大な費用がかさみます。

ギャラの高い優秀な先生を雇ったり、全国展開するなら尚更です。

しかし、東進や武田塾のように一部のように優秀な先生に授業をしてもらい、録画にして全国の私塾にそれを使う権利を売れば大型スクリーンも優秀な先生の高額な人件費も広い土地代も家賃も払う必要はありません。

これが塾のフランチャイズ契約でその名義を私塾に貸す代わりに売り上げのロイヤリティの30〜40%をもらうことができます。

またフランチャイズ契約は私塾の方も大変助かる仕組みです。

私塾がわも大型スクリーンも優秀な先生の高額な人件費ももちろん、小さなテナントを借りれば済むのです。

特に田舎の方では生徒もそうですが、それぞれの教科のスペシャリスト教師を集めるのなんて至難の技です。

優秀な指導者を正社員として雇う代わりに勉強方法や学習管理をマニュアル化してあるので専門的な知識や指導経験は必要なく、軽い研修をこなすだけで現場に立つことができます。


現に東進や武田塾は受験生の学習管理や指導要員のほとんどを大学生のアルバイトでまかなっています。

また受験生からしても学校の先生よりも年の近い大学生の方が近所のお兄ちゃんお姉ちゃん感覚で親しみがわくのです。

これが個人指導型(マンツーマン)にまでなると費用対、時間対効果が悪くなるのです。

なぜなら問題を解く時間もずっと無言でついていなければならないし、先生が添削している間は暇を持て余してしまいます。

にもかかわらず、生徒一人につき先生を雇わなければなりません。

したがって、
@宿題のような形で映像授業を見せて問題を解かせる
A解いた問題を塾に持ってこさせてアルバイトの講師が三人ほどの生徒相手に添削
B間違っていた箇所を指導する

というような形で教師一人対三人が最適人数だと言われています。

3人が同時に問題を解き終わるということもなくタイムラグを利用して一人が問題を解いている間に講師が一人の問題を添削するという効率的な教室運営ができるのです。


<日本語学校もフランチャイズ化する!?>

ここまで大型塾の衰退に代わり、授業がメインではない個別指導型授業が主流になってきた理由について述べてきました。


実は授業をしない、自学自習型というのは他の教育でも最適解になりつつあります。

やる気スイッチグループはプログラミング教育事業に参入しましたが、タブレット端末でキャラクターを操作しながら正しいプログラミングコードを選択し、正解を選べれば先に進むというスタイルを採用しています。

教材ソフトが自動的に生徒の進捗状況に合わせて進め方を提示するので、講師はプログラミング経験がなくてもこのソフトについての研究を受ければ務まるということです。

良質な授業と指導マニュアルを全国に均一化がその理由でしたが、この流れは日本語業界にも来るんじゃないかなと思います。

日本語業界も塾業界と同じ構造上の欠陥があり、その解決策も塾業界と共通だと思えるからです。

日本語業界も一人の先生が一斉授業で文法を教えていますが、できない学生にとっては授業がわからないまま進んでいきどんどん置いていかれ、反対にできる学生にとってはもっと先に進みたいけどできない学生に合わせられて退屈な時間を過ごさなければならないという状況です。

一斉授業はできる学生にとってもできない学生にとっても時間と学費の無駄なのです。

ところが日本語学校も塾業界の流れにのり上手い人の授業を映像化し、それを各日本語学校に権利販売することでこの問題は解決しそうです。

日本語学校は慢性的な教師不足の状態(特に若い人)で人が育つ前にやめてまた新人が入ってきたら育ててというなかなか人が育たない構造なのですが、映像授業であればいい授業動画を使いまわせばいいのでその心配はありません。

ただし、アウトプットの場や遅れがちの学習者には指導が必要ですからそのために教室を使うという構造になるかもしれませんが、大きな教室は必要ないので現状の日本語学校は用件に当てはまらないかもしれません。
(日本語学校は教室の広さとか先生と学生の数を満たさなければなりませんから)

そうなるとティーチングする人は少なくて済み、コーチングが必要ですがそれも日本語が話せる人であればいいということになるかもしれません。

東進や武田塾が指導をマニュアル化して大学生のアルバイトに任せたようにです。

もし日本語学校が塾業界の流れを組めば多くの先生が必要なくなり、日本語教師の雇用条件は厳しくなってくるでしょう。

この流れを組まなければ日本語教師の雇用は保たれますが、反対に日本語学校の経営が厳しくなるでしょう。

まさに日本語教育はイノベーションのジレンマに直面しています。

人ごとのように書いていますが、この映像授業の権利販売は僕も挑戦して行こうかと考えており、目下水面下で行動中です。

おそらく中国で試すことになりそうですが、結果が出たら報告しようと思いますので、待っていてください。

それでは!

『代ゼミが負け、東進が勝ち、武田塾が伸びる理由』

2020.10.09 | コメント(2)
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この記事へのコメント

僕もそういう効率的な方向に行かないところは滅びると思います。佐藤さんの挑戦を応援していますよ。

from 村上吉文 2020.10.18 19:13

ご声援ありがとうございます。
滅びてくれればまだいいんですけど存続するために留学生を奴隷のように働かせる学校が増えるのが問題ですね。

from 佐藤隼人 2020.10.19 01:19

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