サッカー漫画 「 アオアシ 」 〜なぜ言語化する人は成長するのか〜|日本語3.0

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サッカー漫画 「 アオアシ 」 〜なぜ言語化する人は成長するのか〜


前回「アオアシ」と言うサッカー漫画を紹介し、理想の教育者、指導者像として紹介しました。

「アオアシ 1」


今回は選手の視点に立ってこう言う選手であれば短期間に劇的に成長するよ、と言う条件について語ろうと思います。

こちらのシーンは主人公葦人がユースの入団テストで面接を受けているシーンです。
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面接の前に紅白戦があったのですが、葦人は自分で決めたゴールについて質問し、なぜゴールを決められたのかを説明させています。

この漫画の主人公、葦人が所属するユースチーム、エスペリオンはとにかく選手たちに「言語化」を徹底させています。

体を使うスポーツになぜ言語化が必要なのか不思議と思われる方も多いでしょう。

しかし、体は頭によって動かされるので頭を鍛えるのが身体能力向上には必須なのです。

もちろん、言語化と言う作業はサッカー選手はもちろん他の全ての分野に通じる最重要項目で、これをやるのとやらないのとではその後の成長度合いが圧倒的に違ってきます。

あなたが何らかのプレイヤーであればこれらを実践すれば爆速で成長できるし、指導者であれば部下や学生に言語化をしてもらうことで成長させることができるのは間違い無いでしょう。

言語化の効果は以下の4つです。

@失敗した原因が明確化する。
A成功が再現化可能になる。
B言語化を徹底することで意識せずにできるようになる。
C具体的に言語化することで具体的なアドバイスがもらえる。


@失敗した原因が明確化する。

一番イメージしやすい言語化の一番の効用は言語化によって失敗や成功した原因の理解が深まるからです。

失敗の原因をなんとなくわかっていても「説明しろ」と言われたら案外言葉に詰まるものです。

言語化できないと言うことは真に理解できていないと言うことなのです。

なぜ失敗したのかしっかりと言語化できてこそ失敗した原因を理解したことになり、同じ失敗を繰り返さなくなるのです。


A成功したプレーの再現性が高くなる。

失敗した原因を考えることが大事だということは理解している人は多いと思いますが、葦人が所属するチームでは成功した時も言語化を行わなければなりません。

人間うまく言った時は「やった!やった!」と浮かれてしまうものなので 成功した原因まで言語化する習慣のある人はほとんどいないでしょう。

したがって偶然ファインプレーができたとしてもなぜできたのかを言語化し、理解を深めなければ再現性が高まらず毎回偶然のファインプレーに頼ってしまうのです。

このことについてイチロー選手がその重要性について次のように語っています。

「僕は天才ではない。天才はヒットを打てた理由を説明できないが僕はなぜヒットを打てたのか説明できる」

イチロー選手は成功した理由の言語化も大事にしているからこそあれだけヒットが量産できるというわけです。

名選手名監督にならずと言う理由は天才は自分のプレーを言語化できないため人に教えらないからでしょう。

逆に一生懸命考えてプロになった人はプロでは天才になれずともセカンドキャリアで名監督として活躍できる可能性が広がっているのです。

サッカーといってもプレーできるのは若い時だけ、人生長いので長期的な視点に立てばプロでは花開かずとも考える習慣とつけた方がいつかは花開く可能性が高いのです。


B言語化することで定着し、正しい判断が瞬発的にできるようになる。

葦人をはじめとした一年生ユースメンバーは目覚しく成長し、たった数ヶ月でBチームからプロに近いAチームへ昇格を果たします。

しかし、Aチームはプロも輩出しているほどのハイレベルなパス回し、ボールさばきが要求され、一年生たちは全く歯が立ちません。

Aチームで苦戦する葦人はじめ一年生はAチームの強さの秘密についてこう思います。
「Aは言語化の次元が違うんや!考えてやってたらこれに追いつくわけがねぇ!」
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なぜこうもプレー判断が早いのかと言うと言語化を習慣化しているからです。

みなさんもヨーロッパや南米のサッカー選手の技術やアイデアに驚かされたことがあるでしょう。

彼らは試合後そのようなファインプレーについて聞かれると名選手はみんな

「あの時は周りがこんな状態で早いパスが来たので反転してシュートした」

と明確に言語化できます。

もちろん、サッカーの世界はコンマ何秒の世界なのでその一瞬の間にそれだけのことを考えることなんて不可能です。


じゃあ、なぜ名選手は一瞬でそんな判断をして動けるかというと何度も練習して言語化し、体に染み込ませているからです。

手足は頭によって動かされるので頭を鍛えることが何より大切です。

頭を鍛えないアスリートはたまに出るファインプレー頼りになり、プロの世界で負けていってしまうのです。

そして頭を使うということは言語化するということなのです。

「考えて、考えて、考えて。そうするとないろんなことが考えなくてもできるようになる」
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C具体的に言語化することで具体的なアドバイスがもらえる。

Aチームで苦戦し続ける一年生に福田監督はこのようにアドバイスします。

「とりあえず、もうちょっと人を頼ったほうがいい。自分の中で解決しようとしすぎ!真面目すぎてな。信頼できる意見を求めて人に聞け」
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これまで言語化、つまり考えることが大事だという話をしてきました。

しかし、いくら考えても解決しないこともあるでしょう。

そんな時は人の知恵を借りるのがベストです。

特に先輩なら自分が同じような経験をしているかもしれないし、客観的ないいアドバイスが聞けるかもしれません。


でもですね。

「もっと上手くなりたいですが、どうすればいいですか?」

そんな抽象的な質問をしても聞かれた側はどう返事すればいいかわかりません。

いくら名コーチでも選手一人一人がその時どんなことに悩んでいるかなんて把握できていません。

したがって、適切な答えを引き出すためには適切な質問をしなければなりません。

ここで役に立つのも言語化能力です。

自分のどんなところを伸ばせばいいのかしっかりと言語化し、自分に必要なアドバイスを引き出しましょう。


「アオアシ 14」


さて言語化という作業がいかに大事かが伝わったかと思います。


体を動かすスポーツ選手でもこれだけ高い思考力が求められるのです。

頭脳労働をやっている人はブログやTwitterなどで少しずつでも言語化すればこれまで述べたような効用があるはずです。

しかも今はネットで世界中と繋がれる時代なので発信によっていい人と出会うことができ、チャンスをモノにできるでしょう。


自分の失敗や成功の結果を考えて、言語化、発信。

ぜひやってみてください。

それでは!


2020.08.21 | コメント(0)
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