「が」の導入についての再考 〜なぜ学習者は「は」と「が」を混同するのか〜|日本語3.0

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「が」の導入についての再考 〜なぜ学習者は「は」と「が」を混同するのか〜


日本語学習者は日本語を習得する過程で必ず「は」と「が」の使い分けの
問題に直面する。


中級以降の学習者でも「は」と「が」を混同して使用している場合が
散見され、習得の困難さが伺える。


特に初級の教科書をそのまま学習することによって「は」は主語の役割を
果たすと誤解する学生が多いようである。


今回は習得困難さの理由について考察し、誤用を防ぐための提案を試みた。

<ホスファチジルセリン>
シナプスが繋がりやすくなり、ひらめきや思考力、学習効果の高まりが体感できました。




<初級日本語教科書における「が」の導入順序>

「が」と「は」の役割の違いは主題化や対比など様々なものがあるが、
池田(2012)は導入順序に注目した。


池田は日本語初級教科書15種類を調査し、「は」と「が」が
どの場面でどのような段階で導入されているかをまとめている。


「が」の導入 : 初級日本語教科書の中に出現する「が」の扱い〜池田英喜〜
http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/handle/10191/29785


それによると15種類全ての教科書で最初の導入は「X は Y(名詞)です」という
名詞文であり、ほとんどの日本語学習者がこの文型に対面していることになる。
(主題であるという説明はない)


では「が」の導入はどうだろうか。


上記の15種類の教科書に限って言えば「Situational Functional Japanese」のみ
第2課で述語動詞の動作主を示す、いわゆる主格の「が」が登場する。

<『Situational Functional Japanese』>


それ以外の他の9種類の教科書では「が」の最初の導入を
存在文「〜がいます、〜があります」で導入している。

ちなみに一般に広く使われている「みんなの日本語」では9課で初めて
「〜が好きです」「〜がわかります」として導入されている。

<『みんなの日本語 T』>

<『みんなの日本語 U』>


15種類中、14種類の教科書で「が」は動詞文以外の形で取り上げられていた。

この点が学習者の理解に混乱をきたす原因ではないかと考えられる。

なぜなら、日本語の例文や文系を導入する際にはその使用場面の典型例を
示さなければならないのが基本である。


例外的な場面を授業で紹介しても学習者が日常で耳にすることが
少なく理解に支障をきたし、汎用性が低く学習者が文を生産しづらい。


他の8種類の教科書では存在文とともに「が」が導入されていたが、
存在文と共起する「が」は必須成分であり「は」と「が」を混同することは少ない。


存在文を最初に導入するため「が」の典型例がわかりにくくなると考えられる。


学習者が混乱するのは多くの場合、動詞文と共起する主格の「が」を
主題の「は」と間違える場合である。

・彼がリンゴを食べる
・友達がアメリカへ行く
・父が母へメールを送る。

このように主格の「が」は動詞文「は」と置き換え可能な場合が多い。

多くの教科書で動詞文は「は」と共起されているため
学習者は「は」を主語、主格の意味だと誤解してしまうのだと考えられる。

動詞文の「は」は本来の主格を表す「が」が主題化したものであり、
動詞文を導入する際に本来の形である「が」とともに導入すべきだろう。


動詞文と本来セットであるのは「が」であるということを明確にすれば
「は」を主語と誤解する学習者も減るのではないだろうか。

<酵素ドリンク 〜摂取し出すといくら食べても翌日胃もたれしなくなりました>


<「は」の導入>

では次に「は」の典型例はどのようなものだろうか。

以下は初級の最初の教科書で目にする次のような例文である。

a. 私は学生です。
b. 彼女はきれいです。
c. 明日は雨です。

aはほとんどの教科書で最初に取り上げられる自己紹介の名詞文である。

「私はどういうものかというと〜」と主題を取り上げる文であり「は」を
使用する典型例であると言える。

bの例文も彼女という存在を紹介するため「彼女」という議題を
取り上げるため主題の「は」を使用することは妥当だろう。

ではcはどうか。

「今日」「明日」という日にちを主題について述べている場合は典型例であるが
「いつが雨ですか?」と雨に焦点が当たると

d 明日が雨です。

という文が正当になる。

この名詞文は文脈によって「は」と「が」の入れ替えが必要であり
典型例とは言えない。

したがって導入には文脈に注意が必要である。


<「が」の導入段階の再考>

これまで学習者が「は」と「が」を混同しやすいことを取り上げ
その原因は主題の「は」を主格だと誤解することであると考え、
それを防ぐためには「は」と「が」それぞれの典型的な例を教科書で
示すべきだと提案してきた。

つまり、「X は Y(名・形) です」「X は Vます」をセットで教えることで
学習者はそれぞれの助詞の機能の差異に気づくことができるだろう。


名詞文、形容詞文、動詞文は場面シラバス以外のほぼ全ての教科書で
課を分けて導入されているため、それぞれの形と意味の違いに
もっと焦点を当てた導入をすることでそれぞれの誤用を防ぐことができるだろう。


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2019.03.29 | コメント(0)
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