日本人と日本語の歴史 C 〜日本語の先祖はアイヌ語か?〜|日本語3.0

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日本人と日本語の歴史 C 〜日本語の先祖はアイヌ語か?〜



前回は日本人そのもののルーツについて総論をまとめた。


日本人と日本語の歴史 A 〜日本人はどこからきたのか?〜
http://hayato55.com/article/184663088.html


人類の誕生は700万年前のアフリカで誕生し、進化を繰り返し10万年前
現在の人類に直結する種である新人に進化し、アフリカを出た。

アフリカからユーラシア大陸を西から極東にかけて移動し、
3〜4万年前最初に日本列島に移り住んだと言われている。


この頃日本列島と大陸は地続きであったため、
むしろ日本列島という概念すらなかったというのが正確であろう。

今のマレー半島やスマトラ、ジャワ、ボルネオなどの諸島も全て
繋がっており南方から北上してきた人類もいた。


氷河期が終わるに連れて大陸から日本列島が離れ、
日本列島に住んでいた人類ごと切り離された形である。

縄文時代は16,000年前から3,000年前だとされているがこの13,000年に渡って
生活した縄文人こそが日本列島ができて生活した最初の人類に当たる。


三内丸山遺跡は5,500年前から3,000年ほど前の縄文時代を代表する遺跡で
ごぼう、まめ、くりなど簡単な栽培が行われていたことが確認されている。

<参考文献>


指紋や歯型、血液などから産出されるDNA鑑定によれば
東日本は縄文人の性質があり西日本は渡来人、つまり弥生人の
傾向が観察されている。

アイヌ民族、琉球民族、本土日本人の順に縄文人に
近い人種であることが確認されている。
http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/087/research/1.html

東日本にはアイヌ語と思われる地名が数多く残っており、
アイヌ人がかつて東北一帯に住んでいたことがわかっている。

例えば東北には「登別(のぼりべつ)、紋別(もんべつ)、士別(しべつ)
然別(しかりべつ)、遠別(とおべつ)など「〜ベツ」のつく地名が多いが
これはアイヌ語の方言であると言われている。

「〜ナイ」もアイヌ語の方言であるが
幌内(ほろない)、稚内(わっかない)、ヘケナイ、宇内(ウナイ)
沼宮内(ぬまくない)、小津宮内(おづくない)

これらのことから縄文人はアイヌ人の祖先であったと考えられる。

つまり、古代の日本列島の最初の言語は
現在のアイヌ語の祖先である可能性がある。


したがって日本語の起源をアイヌ語に求める研究者もいる。

事実、アイヌ語と日本語では共通点もある。


語順が日本語と同じであり単語の母音は「アイウエオ」の5つからなり、
母音が5つと言うのは世界的にも少ない部類に分類される。


また、国学者の服部四郎は意味と音が類似している単語があることを根拠に
アイヌ語が日本語の原語であるとする説もある。

例えば皮と言う意味の言葉は日本語で「kapa」アイヌ語では「kap」
背は日本語で「se」、アイヌ語で「se」、
女は日本語で「me」、アイヌ語では「mat」など

数十個の似た単語を挙げて日本語とアイヌ語の類似性を示している。


しかし、単語の意味の類似性でその言語を比較するのは発音と意味が
似ている言葉は世界に多くある。


例えばベトナム語には以下のように日本語に類似する言葉が多くある。

1 古代 cổ đại 2 天然 thiên nhiên 3 注意 chú ý  4 管理 quản lý
5 記念 kỉ niệm  6 国旗 quốc kỳ 7 態度 thái độ 8 結婚 Kết hôn
9 発展 Phát triển 10 国家 Quốc gia


以下はインドネシア語との比較例である。
https://www.pt-jepun.com/indonesia/kiji3848.html

ブラジルの少数民族グアラニー族は「行こう」を「イコウ」
一人称を指す「俺」を「オレ」と発音すると言う。


<参考文献>


比較対象の二つの言語構造や特徴を全く無視して
類似する単語を根拠にその二つの言語を兄弟言語だとする見方は早計だろう。


日本語は基本的には開音節(母音で終わる)が
アイヌ語は閉音節が多く存在する。


例えばu は、日本語の「ウ」と発音が異なり、
日本語を母語とする者には「オ」のようにも聞こえることもある。

以下はそのほかのアイヌ語と日本語の相違点である。

・rが語頭に立つ。
・動詞の活用がない。
・過去形、現在形、未来形などの変化がない。
・一部の動詞に複数形がある。
・名称は三人称の形を取るとき、語尾を変化させるものが多い。


また、アイヌ人の先祖である縄文人は縄文時代後期から新種のウイルスによって
人口が激減したことがわかっている。

<参考文献>


その後1000年にわたって半島から渡来してきた渡来人が
日本列島の大勢を占めるようになった。

朝鮮半島はこの時、アジアからやってきた騎馬民族が現在の北朝鮮あたりに
高句麗を建て、その後からやってきた民族が百済を建て、さらに後から
やってきた民族が任那を建てた。


この任那の民族が百済から圧迫を受け半島から追われ、
日本列島にたどり着き、その後長きにわたって勢力範囲を広げた。

古事記の神武征伐の記述はこの辺りの民族が
日本を征服する過程を描写したのだと考えられる。


日本語が朝鮮語を通じてアジア・アルタイ語族と似通っているのは
そういった歴史的背景があったからだと考えるのが妥当だろう。

とはいえ、縄文人が減ったのはあくまでウイルスによるものであり、
渡来人に侵略され、支配された際にアイヌ語が
その後の日本語に影響を与えるほど言語が交わったとも考えにくい。


弥生人が縄文人を支配したと仮定しても
その際に縄文人に自国の言語を教えるのは極めて難解である。

文字も文法も無い時代、成人に言語を教えることは
語学に携わる人間であればその容易ならざるは想像に難く無いだろう。

また、通常支配言語が被支配言語に影響を与えることはあっても、
その逆はありえない。


ヨーロッパ列強が植民地支配を行った際、被支配地のアフリカや
アジアの言葉には大きな影響を及ぼしたものの、その後ヨーロッパ人が
アジアやアフリカの言語を話せるようになったかと言うとそうでは無い。


さらに弥生人は農耕民族で縄文人は狩猟民族であり、農耕民族は農耕により
食料を保存することができ多くの人口を養うことができる。


一方、狩猟民族は採集する食料は限られ、時期の天候や環境に大きく
左右されるため、基本的に人口の増加は望めない。


弥生人が日本列島で人口を増やし、縄文人がその逆の道を辿ったのは
自明だろう。


以上を鑑みて
アイヌ語はその後の日本語の形成に影響を与えなかったと考えられる。

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次に目が向けられるのは南方、つまり沖縄方言である。


前述したように日本列島には南方から侵入した人類もいたため、
当然南方、つまり沖縄から日本語の起源を求める声もあるが、残念ながら
琉球方言が日本語の祖先であったと言う確たる証拠は残っていない。


一つの根拠として日本語の「は(ha)」の発音は古代は
「ぱ(pa)」であったことが確認されているが、つい最近まで琉球語でも
「は」を「ぱ」で表す地域があると言う話がある(亀井)。


しかし、有声音から発音しやすい無声音へと移行する傾向は
世界各国の言語で観察されるところである。
(中国語、インド・ヨーロッパ語族など)


したがって有声音から無声音への変化という特徴だけでは
沖縄を日本語の先祖であると断じるのは早計だろう。


渡来人つまり弥生人の言語が現在の日本語の元になった言語だと考えられる。


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2019.03.04 | コメント(0)
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