助詞省略の条件 A 「を」と「が」「に」|日本語3.0

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助詞省略の条件 A 「を」と「が」「に」


前回はドラマから算出した日常会話を元に
一番省略の多い助詞「は」の省略条件について述べた。

助詞省略の条件 @ 「は」 の場合
http://hayato55.com/article/185530940.html

今回もドラマの会話から元に「は」の次に省略が多かった
「を」「が」「に」について述べ、最後に所見を述べる。

<「を」の省略について>


「を」の省略にはどのような制約や制約があるのだろうか。
「を」の種類として城田は1次機能と2次機能とに分けている。

一次機能は他動詞の目的語として使われる文法的な意味を含まない
「を」であり、「を食べる」「を見る」などがこれに含まれる。

二次機能は動詞もそれと共起する名詞も強い意味のつながりを持つ「を」
であり、「家を出る」「道を行く」などがこれに該当する。

a. 早速、名前(無・を)考えなくちゃな。
b. これ(無・を)貸してくれない。
c. 飯(無・を)食ってもいいかな。
d. 近いから、公園(無・を)通ろうか。

a~cは1次機能にあたり、dは二次機能に該当するが
特に制約がなく省略できそうである。


次の例を参照されたい。

e. そういう生き方(無・を)一度はしてみたいのよ。
f. あんな嬉しそうな母さんの顔(無・を)みてたら、もも(無・を)
 取り上げる気に慣れないのよ。
g. 母さんがもも(無・を)あやしている時の顔(無・を)みたこと(無・が)ある?

このように副詞や節が間に介在しても制約なく省略できる。
fの「顔を見てたら」は複文の従属節であるにも関わらず、省略でき、
gの「ももあやしている時の顔」は連体節の中で省略しても不自然ではない。

以上のように「を」は動詞との格関係が明白であるため
省略しても意味が通じるため省略可能な例が多いことがわかる。

<酵素ドリンク 〜いくら食べても翌日胃もたれしなくなりました>


<「が」の省略について>

そもそも助詞「が」の役割は「主題ではない主格を表す役割」もしくは
「選択、特定、または排他的な意味合いを持つ役割」であるとされる。

「主題ではない主格」とは「母が帰る」「鼻が大きい」などであるが、
これらは同時に「母が帰るが他の人は帰らない」「目や他の部分は
大きくない」という意味合いが含まれる。

それが「選択的、排他的な意味合いを持つ役割」である。


ではどのような場合に「が」は省略可能になるのか。
以下は省略可能な例文と不可能な例文を列挙した。

(省略可能)

a お前(無・が)書けよ。
b おしっこ(無・が)できないよ。
c ちょっと調整(無・が)狂ったけどうまく取り戻せた言ってたから。

(省略不可能)

d 野球よりサッカーの方が*面白い。
e 釣りは海でが*面白い
f 招待客は福岡からが*まだ来てない。

eやfでは「が」の役割である特定機能が失われるため、
省略不可能となっている。

このように省略することで明らかに格関係が崩れるものや
意味の差異が生じるものは省略できない。

そうでない限りcの例文のように「が」が文頭であっても省略可能となる。

これらの例から「が」省略の条件として

「格関係に意味の違いが生じなければ文頭でも文尾でも省略できる」
と考えられる。


また、省略不可能な例として連体節における「が」が挙げられる。

g 先週山本(が・無*)食べたレストランとても高かったんだって。
h 昨日山本(が・無*)ケーキ買った店とても美味しいって評判なんだよ。
i 昨日友達(が・無?)行った店安くなかったそうだよ。

一方「を」は連体節の中でも省略可能である。

j 赤い帽子(無・を)かぶっている人が先生です。
k みかん(無・を)食べている動物がヒヒです。
l 外国人(無・を)を雇う店が増えている。

連体節のなかで「が」が省略できないのはなぜだろうか。

g,hの述語である「かぶる」「食べた」と本来共起する格助詞は「を」で
iの「行った」と共起する格助詞は「へ」「に」である。

したがって、それぞれを復元すると以下のようになる。

g 先週山本(を)食べたレストランとても高かったんだって。
h 昨日山本(を)ケーキ買った店とても美味しいって評判なんだよ。
i 昨日友達(へ)行った店安くなかったそうだよ。

このように本来の助詞を復元するとそれぞれ全く意味の通らない文になる。
格関係を明確に表すため連体節の「が」は助詞は省略不可なのだと考えられる。

連体節においても形容詞述語の場合「が」の省略は可能になる。

m 魚料理(無・が)うまい店知らないか
n 足(無・が)すごく丈夫なやつしかそんな距離歩けないよ。

形容詞述語の場合、通常「が」が必須の助詞であり、省略しても
格関係に意味に差異が生じないため省略可能なのだと考えられる。

したがって次の例でも省略可能である。

o この中に英語(無・が)話せるもの何人いるだろうか。
p この辺できれいな海(無・が)見えるとこ知ってるよ。

「話せる」という可能形と「見える」という自発形の助詞は
本来「が」であるため省略しても意味が通じるからである。

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<「に」の省略について>

「に」が省略できるのは以下の場合である。

a 医者(無・に)行けよ、俺、バイトだから。
b ねぇ、お風呂(無・に)入ろうよ、みんなで。
c 今日、パリ(無・に)発つのか。

ドラマの会話では「に」の省略は「行く」の前の「に」省略が多かったが、
方向や着点を示す「に」は他の格助詞の介在を許さず動詞と強固な
繋がりがあるため省略可能になると考えられる。


また、受け身文、使役文など「に」を省略すると明らかに
格関係が崩れる場合は省略できない。

d 僕、山田(に・無*)殴られたことあるよ。
e 田中さんは3歳まで子ども(に・無*)携帯を使わせなかった。

したがって、助詞「に」の省略は動詞との格関係が強く省略しても
意味の差異が生じない「行く」「入る」などに付随する
着点や方向を示す用法に限られていると言えそうである。


<助詞の省略についてのまとめ>

前田のドラマの会話からの収集例を検討した結果、
「は」「を」「が」「に」の順に省略が多く、「は」の省略が多いのは
日本語では相手と共有できている話題について述べる際には
「は」の省略が可能であり、「を」の省略が次に多い理由は「を」は
動詞との繋がりが強固で省略しても意味に差異が出ないからである。

「が」の省略がやや少ない理由は連体節の省略に制限が出るためと
「が」は主体や強調などと言った重要な役を担っているからだろう。

「に」は着点や方向を示す例以外、省略できる例がほぼないことがわかった。


今後は研究結果を日本で生活、就労する学習者にどう指導していけばいいのか
検討していくことが課題点だろう。


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2019.02.15 | コメント(0)
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