読後 『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』 村上吉文 @ 〜オンライン学習で学習がどう変わるか〜|日本語3.0

インフォメーション

読後 『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』 村上吉文 @ 〜オンライン学習で学習がどう変わるか〜


今日は村上先生の『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』の書評です。

『SNSで外国語をマスターする冒険家メソッド』 村上吉文


残念ながら日本語学校は現在
出稼ぎ目的の留学生が多くを占めています。

僕も居眠りや私語が多く授業にならないクラスを受け持ったことがあります。


もちろん、僕の授業にも問題はあると思いますが他の多くの先生や
日本語学校でも同じ話を聞くので日本語学校全体が抱える問題なのだと思います。


しかし、だからと言ってどこをどう改善すれば良くなるのか
解決策がわからないという先生が多いことでしょう。

この本はそんな先生たちや学習者にとって道しるべになるでしょう。


この書は大きく二部構成になっています。


1〜3章までは学習者向けにどのように
外国語学習を進めればいいのか独学ツールを紹介してあり、
4章〜終章までは語学教師向けの内容で、これから教師は
どのように変化すればいいのかについて書いてあります。


つまり本書全体は
「〜のような学習者スタイルになるから教師はYをしたほうがいいよ」
という流れになっています。


著者の語学経験と語学教師経験、または最新ツールの使用経験から
書かれていたため説得力を感じる内容でした。


まず現在の学習者の環境はどのように変わり、
従来の教育とどのような点で合わなくなっているのか本書をまとめました。


<「冒険家メソッドの内容」学習環境はどう変化しているのか>

まず、現在の国内日本語学校がうまく言っていない原因は
従来と現在の学習環境は大きく変わっているにも関わらず、
教育現場は何も変わっていないことに起因します。


では学習環境はどのように変わったのかというと
まず、学習者の質が多様化しました。

従来の日本国内の日本語学校で学ぶ学習者は漢字圏で
大学進学目的の学生たちが主でした。

しかし、前述のように現在は出稼ぎ留学生が増え、
日本のアニメをきっかけに日本語学習を始める学習者も増加しています。


このように学習者の質が多様化しているのに対して
国内の日本語学校では相変わらず一斉教室授業をしています。


教室授業では漢字圏と非漢字圏の学習者が同じ教室で勉強しているため
読解などでは当然学習の進捗に影響が出ます。


できない学生はますます学習が遅れ、反対に
できる学生は先に進みたいのにずっとできない人のペースに合わせられます。

一斉授業はどちらのタイプの学習者にとっても非効率なのです。

また、教室授業では学習者の趣味趣向に合わせることなく
同じテキストを使います。

全く興味が持てない内容をずっと読まされても学習効果は低いでしょう。


また学習者にとってはいい教師やいい教材に出会うことも大切ですが、
従来の教室授業では学習者がその人にとって最良の教師に出会うためには
大きな時間的制約と地理的制約があります。


地理的制約とは英語を習いたい学習者の場合、ベストな先生に教わるためには
あなたの近くに住んでいなければならないことです。


時間的制約はあなたの空き時間にその先生も空き時間がなければ
教わることはできないということです。

英語の教師は世界中にいるため自分にとってベストな先生に出会う確率は
天文学的に低いと言えるでしょう。


このように状況が急速に変化しているのに対して教育現場は従来から
変わらないため学習者が不利な状況に置かれていることは
わかっていただけたかと思います。


こうした中でやはり重要になってくるのがやはりオンラインを活用した学習、
ソーシャル・ネットワーク・アプローチ(SNA)です。


SNAはその名の通りソーシャルメディアをフル活用した学習スタイルで
完全にオンラインで独習するスタイルです。


オンラインであれば教室授業のような時間的制約もなく
それぞれの目的に応じていつでも自分の好きな時間に
好きなペースで好きな教材を選んで独習できます。

落ちこぼれや浮きこぼれの心配もありません。


オンラインであればいい先生に出会う確率も飛躍的に上がります。
出会うまで探すことができますからね。


現在は誰もが情報発信者であり誰もが情報受信者、つまり
誰もが学習者であり誰もが教師です。


教師の問題についても教育ブロガーのウィル・リチャードソンの
次の言葉が引用されています。

「実をいうと、私の子供の世代では、彼らの最高で、最も忘れられない、
 最も効果的な教師とは、学校によってあてがわれた教師ではなく、
 彼ら自身が発見した教師になると、私は信じています」


ネットには豊富なリソースが揃っておりアクセスすれば学習者はその人にとって
有益な教材を見つけることができます。

個人のペースや趣味、レベルに合わせて個人が教材を選び
学習を進めることができるのです。


また、わからなところがあれば日本語コミュニティに参加し
教室のようにいつでも質問し多国籍の学習者と交流することができます。

切磋琢磨して互いに励まし合える仲間に出会えます。


実際問題、オンラインで学習した人は
教室授業よりも学習効率が上がり成績が上がるという統計結果も紹介されています。


まあ、これはオンラインだからというよりも自分のペースで
自分の趣味趣向に合わせて自分のペースで独習したからということでしょう。


逆に言えば、オンラインでの学習を促進しなければ
日本語と学習者の溝は埋まらず日本語学習者の増加は見込めないでしょう。


さて、ネットには大量のリソースがあると言っても豊富にありすぎて
どんなツールをどのように利用すれば学習効率が上がるのかわからないでしょう。


そこで本書では分野ごとに最適なツールが紹介されています。

以下にその一部を挙げます。

<聴解用>
まず挙げられるのはYoutube。言わずと知れた世界最大の動画プラットフォームで
アカデミック、スポーツ芸能、ニュースなど幅広いジャンルがあり、
最近は字幕機能も向上し、聴解の語学学習コンテンツとしては最適。

視覚とともに音声が入ってくるため理解の助けになり得る。

<発話・会話練習>
instagramやtwitterで発言することはは敷居が低いため
気軽に外国語をアウトプットできる。
特にインスタは写真があるため伝わりやすいメリットがある。

またSNSでパートナーが見つかればskypeやZoomで会話練習もできる。
Zoomはskypeに似たネットテレビ電話だが、skypeより回線も安定しており
互いのIDを知らなくてもURLにログインするだけで会話ができるので便利。

Zoom
https://zoom.us/

<作文>
作文を訂正してもらうためのLang-8というSNSがある。
自分が書いた作文を母語話者に添削してもらうことができる。

Lang-8「世界中のネイティブスピーカーが語学学習を応援してくれる」
http://lang-8.com/

<教室、教師機能>
Facebookには様々な機能がる。まずTimeラインに外国語で書き込めば
見た人が訂正してくれることもある。
最近は訂正機能が発達してきており書いている途中に間違い文法や語彙を
直してくれるようになっている。

Facebookのもう一つの機能として教室の機能があげられる。
この日本語コミュニティは日本語学習者と教師が集まっており、
教室のように学習者が教師に質問をすることも可能。

以下は国内でも最大規模のFacebookコミュニティである。

Facebook日本語コミュニティ
https://www.facebook.com/groups/The.Nihongo.Learning.Community/

このコミュニティには2018年10月時点で45000人を超える学習者が
参加しており、教師も200人参加している。

このコミュニティでは

・学習者は日本語や日本に関わる質問をして教師チームが回答する。
・教師が日本語に関わるクイズを出題し、学習者が答える
・週1、2回日本語チャットが行われる。

などの活動が行われている。


これらのツールの詳しい使い方や使用上の心構えなどは1〜3章を通して
書かれているので参照すればいいかと思います。


このように発話、聴解、作文訂正、教室機能など従来学校が果たしていた機能は
すべてオンラインで完結するようになっています。

しかも上で挙げた機能はほぼ無料でできます。


そう考えると教室や教師は全く必要ないように思えてきます。


従来の学習環境が大きく変わってしまった今、教師や学校は
どのように変化し、行動に移していけばいいのでしょうか。

4章からは教師や学校についての話です。


*noteでもブログと同じ記事の内容を整理して公開しております。
https://note.mu/hayato49

ほしい物リスト公開を始めました。
食用品を恵んでいただけると食費が浮くので助かります。


「ほしい物リスト」
http://amzn.asia/6D79MOV

リストに載っている本をプレゼントしていただいたら
書評にしてブログにアップします。


この記事を気に入っていただいたら
下のバナーをクリックして
ランキング応援よろしくお願いします。
 ↓  ↓

人気ブログランキング

2018.10.18 | コメント(0)
コメントを書く

お名前

メールアドレス(非公開)

ウェブサイトアドレス

コメント

この記事へのコメント
テキストや画像等すべての転載転用販売を固く禁じます
Copyright © 日本語3.0 All Rights Reserved.