日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 D 〜教科書の利点と欠点〜|日本語3.0

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日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 D 〜教科書の利点と欠点〜


カリキュラムが決定すると次は教材や教科書選びとなる。


とはいうものの教科書が何らかのシラバスに沿って作られているため
教科書を設定した時点でどのシラバスを採用するかも同時に決まることになる。


多くの学校は教科書を採用しているため、
教師はシラバスやその教科書を使用する意義などを考える機会も少ないだろう。


しかし、学習者の質が多様化している今、
教師は様々な教材を分析し、学習者に掲示した方が学習者の助けになる。


今回はどのような指標で教科書を分析し、選択し
教師は教材をどう使い、どう向き合えばいいのか考察をここみた。

(前回の記事)

日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 @ 〜内容と順番について〜http://hayato55.com/article/184356381.html?1536796686

日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 A 〜「言語習得理論」の点から考察〜http://hayato55.com/article/184372331.html?1537622864

日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 B 〜どんなアプローチがいいのか〜
http://hayato55.com/article/184396324.html?1538895245

日本語の習得を支援するカリキュラムの組み方 C 〜4つのシラバス〜
http://hayato55.com/article/184456328.html?1538895165


教科書を使うことにはメリットもデメリットもある。

まずはメリットを以下に列挙する。

・教師は教材作成の時間を短縮することができ、教案や授業運びに集中できる。

・日本語学校のように複数の教師が1つのクラスを担当する場合、
 教師によって説明や教え方が違うという事態が起こり得るが、
 教科書があることによって標準化した授業が期待できる。

・教師にとっても学習者にとっても予習する際に教科書を参照することで
 学習計画や指導計画を立てやすい。

・教師も学習者も復習する際にも教科書を見ることで学習項目を想起することができる。


一方でデメリットは以下が挙げられる。

・良質な教科書があることで教師が教科書に頼り、教授法の研究や全体のシラバスを
 構成する力を養うことができなくなる。

・ページ数の関係で1つのページに項目が詰め込まれている場合がある。

・時代の変化により古くなった語彙などがあっても紙の教科書はすぐに
 アップデートできず学習者が適切なインプットができなくなる。

・教科書を進めることが優先させられるため学習者のニーズに合わない項目も多々ある。
 

こうして教科書のメリットとデメリットを把握した上で教科書を使用することが
求められるが次に教師がすべきことは今度は教科書そのものを分析する作業である。


Ellis(1997)は以下の視点を元に教科書を分析するように推奨している。

1、教科書はどのような目的でどのようなニーズに応えるために作成されたか。

2、どのような学習者を対象としているか。
  学習者の年齢、レベル、文化的・宗教・政治的背景、学習目的は何か。

3、達成すべき目標は何か。

4、教科書のレイアウトは見やすいか。1ページに情報を詰め込みすぎていないか。
  タイトルや見出しがわかりやすく、学習者が想起しやすい内容になっているか。

5、教科書の効果的な使い方を学習者に示してあるか。

6、文法が紹介してある場面や活動は適切か。課と課のつながりは論理的で
  整合性が取れているか。

7、復讐のために既習文法や語彙が適度に繰り返されているか。

8、教科書の内容は学習者の興味を引き、動機付けが維持できるものか。

9、不自然な例文や導入、活動が含まれていないか。

10、宗教や文化、政治に配慮した内容であるか。
   人種や社会的地位、国民性などに関してステレオタイプな内容になっていないか。

11、教師が一方的に発言するのではなくインタラクティブな内容になっているか。

12、教科書だけで学習者の学習活動を支えることができるか。
   それとも教師が副教材を補填する必要があるのか。


以上が先行研究を元にした教科書分析の指標である。

次回からはこの指標を元にして主要な教科書の分析を試みる。


<参考文献>
「日本語の習得を支援するカリキュラムの考え方」


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2018.10.07 | コメント(0)
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