読後「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」マイケル・B・ホーン A 〜教育界に革命を起こすには〜|日本語3.0

インフォメーション

読後「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」マイケル・B・ホーン A 〜教育界に革命を起こすには〜


<教育界における「破壊的イノベーション」とは?>

従来の教育体制を続けていくとどんな問題が起こりうるのだろうか。

<「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」>


この本の著者ホーンは

「ブレンディッドラーニングは『破壊的イノベーション』であり、破壊的イノベーションを起こさなければ例外なく市場から駆逐される」

と主張しています。


「破壊的イノベーション」とはイノベーションの理論について書かれた「イノベーションのジレンマ」に出てくる造語です。

<イノベーションのジレンマ>


この本ではイノベーションの種類を「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の2種類に分けています。

「持続的イノベーション」とは既存の製品に少し改良を加えて商品やサービスを改善するイノベーションのことです。

例えばiphoneであれば画像認証機能をつけたり、画質や音質を上げたりといったことが持続的イノベーションです。

一方、「破壊的イノベーション」とは製品の目的や用途は変わらないものの既存の製品に抜本的な改良を加え、性能を飛躍的に高めるイノベーションです。

それまで使われていた部品も使われなくなり、用途も大幅に広がることもあります。

例えばガラケーから携帯やUSBからDropboxへのイノベーションは破壊的イノベーションに分類されます。


この本では

「大企業は無難な持続的イノベーションに走りやすいが、その結果破壊的イノベーションの波に乗り遅れ最終的に駆逐される」

と主張されています。


「イノベーションのジレンマ」の書評はまたいずれやる予定なのでまたの機会に譲りますが、ホーン氏はこの破壊的イノベーションが教育業界でも起きると予測しています。


つまり、ブレンディッド・ラーニングで学びを効率化した生徒と従来型の非効率な学習をしている生徒の間では短い期間内で雲泥の差が広がると言うのです。


だとするならば日本の学校がこの改革に乗り遅れれば日本の子供たちは世界の人材に大きく差を開けられることになります。


<導入する前に考えるべきこと>
とはいえ、闇雲に導入すれば成功するというわけではもちろんありません。


ハワイのホノルルのある小学校では多額の資金を使って電子黒板を全教室に導入したものの、数ヶ月後には出席管理とビデオを見る時くらいしか使われなくなったそうです。


何も計画せず「新しいものを導入すれば何か変わるかもしれない」そんな期待感だけで導入しても、膨大な手間と費用が無駄になる恐れがあるのです。


したがって、ブレンディッド・ラーニングを導入する際には以下のことを慎重に検討する必要があります。

・なぜブレンディッドラーニングが必要なのか。
・どの部分にどんなテクノロジーを導入すれば学びが効率化できるのか。

以上この2点です。

これを日本語業界に当てはめて考察していきたいと思います。

まず、なぜブレンディッドラーニングが必要なのかという点についてです。

前回の冒頭でも述べましたが、日本語学校ではできる学生とできない学生の差が開く傾向があります。


特に中国や韓国など母語で漢字に馴染みがあったり、文法が似通っている国の学習者とそうでない国の学習者との間では学習格差が広がりやすいのです。


できない学生たちはわからないまま授業が先に進んでしまい、できる学生は先に進みたいのにできない学生たちに合わせられます。


したがって一部をネット授業にすればこういった事態は防げるのではないかと思います。


すなわち、文型の導入や説明は動画化して何度も視聴できるようにデータフォルダやサイトに保存しておき、ある区間ごとにGoogleフォームなどで理解度を図るようにします。

発話練習もそのレベルに到達している学習者を集め正しく運用できているか否か発話テストするという方法が考えられるでしょう。


そうすればできる学生はどんどん動画講義で文法や語彙の説明を聞いてgoogleフォームの問題や発話テストをクリアして語学を習得することができます。

一方、できない学生はわかるまで何度も動画を見て文法の意味や使い方を学び直すことができます。


得意な学生、苦手な学生がともに効率的な学習ができるわけです。


ここで注意が必要ですが、あなたがもし日本語学校に勤めているなら導入は諦めたほうがいいかもしれません。


というのも先ほどの破壊的イノベーション理論の通り、大きな組織であればあるほど破壊的システムの導入には二の足を踏みます。


成功する保証のないことを導入して失敗すれば責任を問われるし、もしシステムを導入すれば動画講義分の教師は解雇せざるを得ません。

そうなれば集団訴訟を起こされる恐れもあるのです。


しかし、あなたがベンチャー日本語学校かフリーランスであればできる可能性があります。


今はyoutubeやUdemy、Amazonからでも動画コンテンツを作成できるからです。

そしてyoutubeなど個人で始めて、チャンネル支援してくれる人には発話テストに参加できるようにすることもできます。


今回の記事で反転授業などブレンディッド・ラーニングの方法を紹介しましたが、日本ではまだまだ導入例が少なくしっかりとした方法論が確立されているわけではありません。

教える教科や校風、ビジョン、教師の質や量などがそれぞれの学校で違うため導入する際にはそれぞれを考慮しなければならないからです。


しかし、見てきたように導入に成功すれば学習効率が飛躍的に上がる非常に大きな可能性を秘めたシステムであることは間違いありません。


まずは自分で理論を組み立てできるところから始めて小さく失敗し、検証し、改善し成功まで不屈の精神で続けていくことが何より大切です。


ブレンディッドラーニングの成功は他の事例ではなく自分自身の試行錯誤の中に眠っているのです。


*noteでもブログと同じ記事の内容を整理して公開しております。
https://note.mu/hayato49

ほしい物リスト公開を始めました。
食用品を恵んでいただけると食費が浮くので助かります。


「ほしい物リスト」
http://amzn.asia/6D79MOV

リストに載っている本をプレゼントしていただいたら
書評にしてブログにアップします。


この記事を気に入っていただいたら
下のバナーをクリックして
ランキング応援よろしくお願いします。
 ↓  ↓

人気ブログランキング

2018.07.27 | コメント(0)
コメントを書く

お名前

メールアドレス(非公開)

ウェブサイトアドレス

コメント

この記事へのコメント
テキストや画像等すべての転載転用販売を固く禁じます
Copyright © 日本語3.0 All Rights Reserved.