読後「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」マイケル・B・ホーン @ 〜全米各地で成果をあげた教育システムとは?〜|日本語3.0

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読後「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」マイケル・B・ホーン @ 〜全米各地で成果をあげた教育システムとは?〜


日本語学校、いや日本の教育における最大の問題点は何でしょうか。

様々ありますが、やはり大教室において行われる詰め込み型かつ均一的教育でしょう。

基本的に生徒の理解の進捗具合に関係なく授業が進むため、理解が遅い生徒はわからないままどんどん授業が進んでおいていかれ、理解が早い生徒は先に進むわけにもいかずずっと理解の遅い生徒に付き合わされて伸び悩んでしまいます。

どちらのタイプの学習者の時間も無駄にしているのです。

それでも一昔前の大量生産型、大量消費型社会であればこういった教育も機能していました。


教育が均一的であっても一部の優秀な人が国を引っ張る人材になればよく他の人はホワイトカラーやブルーカラーの仕事に就けば生活できたからです。


しかし、今はそんな仕事は海外に委託されるし、将来はAIに取って代わられてしまいます。

学校教育で落ちこぼれた人に対するセーフティネットがないのです。

その上、少子化です。

人口増加時代であれば均一的な人材でも大量に存在するため国全体のパフォーマンスは上がっていましたが、これからは少ない人数で成長を維持しなければならないのです。


できるだけ落ちこぼれをなくし、卒業と同時に何らかのスキルを身につけていることが望ましいのです。

したがって、限られた時間の中で効率的な学び方をして卒業と同時に手に職をつけ、社会で活躍できる人間を育成するシステムを構築しなければならないのです。


その効果的な学習方法の一つがブレンデッド・ラーニングです。



この本には余すところなくその方法論が書かれています。

ブレンディッド・ラーニングとは「個別学習」と「習熟度基準学習」を掛け合わせたものです。

個別学習とは人に合わせることなく自分のペースで学習でき、かつ一人一人のニーズに合わせた学習のことで、習熟度基準学習とはその課の内容をきちんと理解し、テストして合格するまで次の内容には取りかかれないという学習システムです。


これらの学習は集団授業よりも効果的です。

アメリカのある学校では個別指導を初めてわずか3週間後に集団授業の学生たちよりも平均点で上回ったという研究結果があります。

一昔前まではこの二つを実現させるのはほぼ不可能でした。

個別学習は一人一人の進捗具合を見ながら学習内容を決められる理想的な教育内容であるが膨大な数の教師が必要であるためコストがかかります。


習熟度学習でもそれぞれの学習者がどれほど習熟しているかを調べるのは難しい上、習熟度別に丁寧に小分けしていくとクラス数が増え、教室や教師も確保しなければなりません。


したがって実現には膨大なコストがかかっていたのです。


しかし、テクノロジーが発達した現在、これらを同時に行うブレンディッド・ラーニングが可能になったのです。


ポイントとしては学習者自身が教師や学校に学習時間や単元を拘束されることなく自主的にコントロールできるのです。


具体的にはネットに接続し映像授業で解説を見ながら自分のペースに合わせて学習し、習熟度テストを経て次の単元に進み、わからないところは何度でも復習することができる、というものです。

生徒は自分の長所や短所に自分で気づくやすくなり学習計画や戦略を立てる力も養えると言われています。

全米でブレンディッド・ラーニングを導入している7つの学校を調査し、効果を調べたところ全国平均より20%高い成績を収めたことが確認されました。

全米有数の教育機関のKIPPエンパワーアカデミーは幼稚園児から小学4年生までからブレンディッド・ラーニングを実施していますが、入園時、61%の園児が「基礎以下」のレベルでしたが、春期にはその園児たちの91%が「よくできる」レベルまで上がったという驚くべき結果が出ています。

また、学習者だけでなく学校側にもメリットがあります。

箱物の学校が必要ないため教室を増やすことなく学習者を増やすことができ、さらに授業は動画化することで教員数も削減できます。


KIPPエンパワーアカデミーはブレンディッド・ラーニングを導入することで教員数を2名削減し、逆に学生数は200人から1年で231人に増やせたとのことです。

学校にとっても利益が積み上がる構造になるということです。


ブレンディッド・ラーニングにはいくつかの種類があります。

まず有名なものは「反転授業」です。


まず授業日まえにオンラインで動画授業を視聴し、学校で宿題をするという文字通り反転させた授業形態です。


反転させるだけでなぜ学習効率が上がるのでしょうか。

従来の授業では学生はわからないことがあっても基本頼る人がいませんが、動画授業を視聴できればわからないことも何度も視聴できます。


また、学習者は宿題を目にしているためそのためにどこを聞くべきかを事前に把握しています。

そのため、受け身の授業にならず集中して聞くことができます。

またフレックス・モデルというものもあります。

企業ではフレックスタイムとはもともと企業に導入されたもので、決められた時間働けば、何時に出勤して退勤してもいいというシステムです。


これを教育システムにも応用したもので学生たちはオンライン教材や指導にアクセスするために学校に登校する必要があるものの登校時間は決められておらず、均一的な時間割などは設定されていません。


登校時にはやはりネット授業を視聴することで授業を進め、習熟度テストを経て次のステップへと進みます。

他にも担任が対面授業の場合やオンラインの場合など様々な形態があります。

また、ネットに接続していれば全てブレンディッド・ラーニングであるというわけではありません。

テクノロジーやネット環境だけ整え、教師もいない使い方もわからない状況で「どうぞ勉強してください」ではブレンディッド・ラーニングとは言えません。

学生が教師にコントロールされることなく自分自身で学習を管理し、きちんと習得した上で次の単元に進めるという点が重要です。

そして、ブレンディッド・ラーニングの中で教師はテストを採点することでどこにつまずいているのかどの単元から始めるのがいいのか学習者の習熟度や特性を見抜き、学習のアシスト役に回ることが期待されます。


個人のペースで授業を進め、学習効率をあげるためにはネット授業が最適であるということです。


以上ブレンディッド・ラーニングがどんなものかイメージは伝わったと思います。

次回はブレンディッド・ラーニングを受け入れなければどうなるのか、実装するためにはどんな点に留意し、整備していけば効果が上がるのか、本書の内容を要約し所見を述べようと思います。


*noteでもブログと同じ記事の内容を整理して公開しております。
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2018.07.25 | コメント(0)
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