「間接受け身」の特徴と使う状況|日本語3.0

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「間接受け身」の特徴と使う状況

次のような能動文があるとする。

・妻は死んだ。

死んだ妻には「かずゆき」という夫がいて、最愛の妻が
死んでしまって悲しみに暮れているというニュアンスを
出したければ、

・かずゆきは妻に死なれた。

上のように「かずゆき」という新主語を入れて、「ガ(ハ)」格を
「二」格に変えて動詞を受け身形にする。

直接被害を被ったのは死亡した妻の方だが、「かずゆき」という
新主語が精神的苦痛を味わうことで間接的に被害を被った
というニュアンスを伝えることができる。

このような受け身文を間接受け身文という。

間接受け身は「主語が迷惑を被る」というニュアンスがあるため、
別名「迷惑の受け身」とも呼ばれる。

・私は雨に降られた。(←雨が降った)


間接受け身文の特徴

直接受け身では無情のものが主語になることがある。

・その建物は山に囲まれている。

しかし、間接受け身文では基本有情の主語のみ成立する。

・この靴は雨に降られて、泥だらけだ*

無情の間接受け身文が不自然に聞こえるのは、
無情の物は「迷惑を感じる」ことが不可能なためだと考えられる。

また、新主語の助詞は格助詞「ガ」ではなく取り立て助詞「は」で
表されることが多い。

・かずゆきは妻に死なれた。
・かずゆきが妻に死なれた*

「は」の役割の一つとして「主題」がある。
つまり、
「〜は●だ」は「〜について説明すると●だ」という意味であり、
「既知」の物の説明に使う。

(聞き手は「〜」の名称は知っていてそれについて説明する)

したがって、この場合、

(かずゆきという人物について説明すると)
・妻に死なれた

という意味になり自然な文が成立する。

それに対して「ガ格」は「未知」のことに使う。
つまり、

(誰が妻に死なれたのかというと)
・かずゆきが妻に死なれた。

というやや特殊な状況が想定されるため、
不自然に聞こえると考えられる。





2017.10.21 | コメント(0)
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