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読後 『 楽毅 』 宮城谷昌光  〜キングダムでおなじみ諸葛亮が憧れた男の名言集 (上)〜


僕は歴史小説が好きで今でも読んでいます。

中でも学生時代、将来が不安な時に司馬遼太郎、吉川英治の作品などは僕の人生を変えてくれたものがたくさんあります。

読んで戦国武将や幕末の志士からマインドを学び、人生を生き抜く糧にしており未だに「龍馬がゆく」「坂の上の雲」などは読み返しています。

現代でも人生に悩む人は数多くいると思いますが、幕末や戦国時代における困難に比べれば比較になりません。

何せ常に死の危険に晒されているわけですから、そんな中生き残った人たちの生き方から学ぶものは多いはずです。

今回紹介するのは宮城谷昌光さんの「楽毅」という作品です。

「楽毅」


中国は始皇帝に中国を統一する前に春秋戦国時代という500年続く歴史があったのですが、その間にも数多くの英雄が生まれています。

宮城谷氏は主にそんな春秋戦国時代の英雄たちを取り上げた作品を多く買いていますが、楽毅もその中の一人です。

あの諸葛亮孔明をして「かくありたい」と思わせたほどの傑物で、ベストセラー漫画「キングダム」を読んだことがある人であれば何度か出てきている伝説の名将です。

中山国という小国の宰相の子供として生まれ、国王に疎まれた上に国を滅ぼされ絶望の淵に立たされます。

しかし、楽毅は文武に優れ天才的な用兵術を駆使して逆境を切り抜けます。

人格者として人を惹きつける力を持っていた彼は外交面でもその力を発揮し、中華はじまって以来の史上最大規模の合従軍を結成し、超大国であった斉の国を滅亡寸前まで追い込みます。

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戦国時代においても才能、実力ある人は多くいますが多くが非業の死を遂げています。

裏切りや陰謀がうずめく戦国時代においては楽毅のように天に愛された者のみ本懐を遂げるのです。

この本の主題はそんな天命を受けることができるものの条件です。今回は本書から名言を抜き出し、その条件について述べたいと思います。

「兵法とは戦いの原則にすぎない。が、実戦はその原則の下にあるのではなく、上において展開される。つまり、かつてあった戦いはこれからの戦いと同一のものはなく、兵を率いるものは、戦場において勝利を創造しなければならない」
楽毅は20代のころ斉の国に留学しましたが、そこで出会ったのが兵学書「孫子の兵法」で楽毅の生涯の愛読書となるものです。

そこはかの有名な「孫子の兵法」を記した孫子こと孫武が活躍した国で孫武の改革のおかげで強国になりました。


と言っても「孫子の兵法」は細かなケースは書かれておらず、戦いの原理原則が記されています。

原則はあくまで原則で行動し、実戦に移していくことで机上とのギャップが生じます。ビジネスでも法則に縛られすぎると負けていってしまいます。

原理原則を学ぶことはもちろん大事ですが、それだけではもちろん足りず実行して臨機応変に工夫していくことで道が開ていくのです。

「父である君主を殺して即位した太子が明君になったという事例はひとつもない」

楽毅が生まれた中山国の王は秦、趙、魏、斉などと比べて国力も人材も資源も乏しい小国です。

しかも君主が暗君そのもので礼を欠いた振る舞いを続け、他国から顰蹙をかい中華で孤立していました。

愚鈍な人間は優秀な人を嫌うものですが、この中山国の自称王もご多分に漏れず英邁な太子や補佐役の楽毅を邪険に扱っていました。

時に自分と太子に暗殺の刺客を向けられることすらありました。

そんな国内不安定の中、強国趙が軍を整えいよいよ中山を滅ぼすために攻めてきました。


楽毅は趙とも中山とも国境を接している斉と同盟を結ぶと大変助けになると考え同盟の道を画作しますが、絶望的な状況になる中でも中山国の王は斉に頭を下げることを拒みます。

斉と同盟を結び中山を救うには今の王が障害になってしまうのです。

どの国からの助けもなければ中山国の民が殺され国が滅亡してしまう、そう思い悩んだ楽毅は最後の手段である王の暗殺という手段が脳裏によぎります。

しかし、短期的な利益は名君は見ているものでそういう人からは見放されてしまいます。

現に君主を殺して栄えた例は中国の歴史の中でもひとつもありません。

歴史に学ぶことを重視する楽毅はそう考えを改め暗殺を踏みとどまり、最善を尽くすことにします。

この決断がのちに大きな幸運を呼び寄せることになります。

「もしも自分が非命に斃れるようなことになれば、おのれへの目配りを怠ったためであり、おのれの中で道が行われなくなったせいである」

ついに強敵趙が攻めてきます。中山が孤立しているのを見計らってのことで、楽毅は祖国滅亡を防ぐために戦場に赴きますが、例によって中山国の王の嫌がらせにより一番守りにくく死地に近い城を任されます。


相手は数万に対し、こちらはせいぜい2〜3千の兵で小城の守備に命ぜられます。はっきり言って勝てるとか勝てないとかいう次元ですらない死地に追いやられます。

それでも楽毅は中山国を守るために懸命に策を練り、それに従って城の強化を図ります。

何度も城を見回る中で健気に篭城の準備をする兵士たちを見てこの兵たちとその家族を死なせたくないという思いを強めていきます。

自軍では勝てる見込みはないため、少しでも戦闘を長引かせ、どこかの国から援軍が来るか趙に他国が侵略し趙軍が撤退せざるを得なくなるのを期待するという戦いになります。

そんな中自分の判断だけで対処しなければなりませんし、もしかしたら、大軍に恐れをなし、城門を開けてしまう兵がいるかもしれません。

もしそうなってもその兵を恨まず、自分が部下に安心感を与えてやれなかった、自己研鑽が足りなかったせいだと受け止め、死地に配属されたことを恨まずできることを地に足つけてできることを一生懸命やるしかありません。

自分を生かすも殺すも天の意思次第。自分に起きることは全て自己責任。

そう腹を括って勝負の時は日頃から天命に背かない行いが危機の時に他者からの助けを得ることができるのです。

「優勢にある者がおのれの優勢さを誇り、劣勢にあるものを怒らせて、いい結果が得られたためしはない」
楽毅は用兵術だけではなく築城の才能もずば抜けており、趙軍が嫌がる位置に砦を作り、時に相手を罠にはめ時に打って出て奇襲をかけ、少数ながら大軍の趙軍を散々に悩ませます。

ある日は落とし穴を掘って敵と戦車を罠に嵌めた時のことです。

趙軍の兵士が急ごしらえの橋を作って穴を渡ろうと進言されましたが、趙の将軍はその選択をせず穴を一つ一つ埋めて先に進もうと決断し、穴を埋める作業を始めました。

それを見て中山国のある兵士が「要領が悪い」と相手を嘲笑しました。

実は楽毅は穴に通じる道を作って外に出て趙軍を奇襲しようと考えていており、趙軍の判断は正しかったのです。

優勢、劣勢は時の運で刻々と変わります。

今日優勢だったのが明日になると劣勢になっているかもしれないにもかかわらず、優勢の時に相手を貶めるようなことをしているといざ劣勢になった時に思わぬ復讐が待ち受けているかもしれません。

優勢の時こそ奢らず、兜の緒を締めるという姿勢を続けることで自分が劣勢に陥った時に思わぬ天宥を得られるのです。


「疑いながらことを始めれば成功せず、疑いながらことを行えば名誉を得られない」

中国を最初に統一したのは始皇帝ですが、実はこの時代にも中華統一を目論んだ王がいました。

趙の武霊王でこの言葉は武霊王に腹心の部下がした助言です。


この時代、最も勢力を誇っていた国は何と言っても趙で武霊王になってから飛ぶ鳥を落とす勢いを誇っていました。

なぜ短期間に強大な軍事力を誇ったかといえば中国で初めて本格的な騎馬部隊を組織し、胡服と呼ばれる北方民族の衣装を着せたのです。

当時騎馬部隊に胡服といえば中華の人間が忌み嫌っていた北方の騎馬民族そのもので、断行すれば他の国から顰蹙を買い、全てを敵に回すのは明白でした。

しかし、武霊王はそんな批判を「便利だから」という理由で断行し、以後戦闘を優位に進めて中華に覇を唱えることになりました。

武霊王の決断を非難していた人たちも慌ててこの胡服と騎馬隊を取り入れる国も増え、その後胡服は6世紀ごろには動きやすく便利だということから旅装束にまでなり一般化しました。

一方、過去の成功体験や古い根拠のない風習に囚われていた国は劣勢に立たされ、衰退の一途を辿りました。

何か新しいことをするときは世間から非難されたりするのはこの時代から変わらないようですが、論理的に正しいものは倫理的にも正しくなります。


合理的な根拠のない風習に囚われずに実行すれば必ず後からついてきてくれる人はいるはずです。

逆に非効率なことをなんとなくの風習だからと言って続ける国や会社組織は衰退に繋がります。

伝統や文化を継承していくことと非効率なことを続けるのを混同しないようにしましょう。

「楽毅」

2020.10.12 | コメント(0)

授業をしない塾が流行る理由 〜授業をしない日本語学校の台頭!?〜


みなさんは「授業をしない塾」という塾があるのをご存知でしょうか。

武田塾がそれで授業をせずに勉強方法を教えたり、進捗具合を管理し、学生のモチベーションを維持することで学習効果を飛躍的に向上させることに成功しました。

武田塾
https://www.takeda.tv/

武田塾は「授業しない塾」の他にも「自学自習」「一つの問題集を完璧に」を謳い文句にフランチャイズ契約をして、全国展開し、ぐんぐん業績を伸ばしています。

少子化に伴い大手の河合塾や代々木ゼミナールが教室を閉め、大学も定員割れになる中での快挙です。

この武田塾の創設者はYoutubeの令和の虎にも出演している林尚弘氏で、金払いのいい陽気な社長として人気を博しています。

令和の虎で彼の金払いの良さを見ている人なら、いかに武田塾が儲かっているか推察できるでしょう。

この本に武田塾を始め授業をしない塾が躍進した理由が書いてありますので今回はこの本の内容を要約しながら、なぜ授業をしない塾が台頭しているか理由を述べます。

また最後にそれを踏まえて僕は日本語学校や日本語教室も塾業界の流れを組み、フランチャイズ形式になると考えていますが、その理由について述べようと思います。

『代ゼミが負け、東進が勝ち、武田塾が伸びる理由』


「授業をしない」「自学自習重視」と聞くと奇抜な印象を受けますが、実はとても理に叶った方法なのです。

林塾長も現役時代から浪人時代まで合わせて4年予備校に通ったそうですが、結局成績は思ったほど伸びず、結局学習院に通うことになったということです。

林塾長は当時数十万も払っていい授業をいくつも受講聞いたはずなのになぜ思うように結果が出ないのだろうと自問自答しますが、仲の良かった予備校の担任の先生の戦略に乗せられていたのだと気づいたそうです。

つまり、既存の予備校は授業を受けさせると儲かる仕組みになっているためその学校の先生は学生の学習効率よりも営業して授業を受けさせることが目的だったのです。

林学長はこの事実を知って愕然として受験生の苦労や人生を踏みにじるような利益重視の既存の予備校の構造を変えたいと二十歳で塾を開業しました。


塾と言ってもネット上で勉強方法を公開し、学習進捗の管理や抱える悩みの相談に乗ると言ったものでそれこそがのちの武田塾の前身です。

すると瞬く間に評判になり、全国の私塾とフランチャイズ契約を結んでいき瞬く間に武田塾の形式が広まっていきました。

今では一斉授業をする塾は廃れ、2014年、代々木ゼミナールが全国27校のうち20校舎を閉めました。

いわゆる代ゼミショックで原因は少子化とそれに伴う浪人生の激減で代わりに7割の塾が個別指導かつ自学自習重視の教育に切り替えています。

なぜそうなったかというと学習効率の面と収益の面が集団授業よりも桁違いに効率的なのです。

1、学習効率の面

前述のようにかつて塾というものは大教室での集団授業が主流で、そのため代々木ゼミナールや河合塾などはそれぞれの教科のスペシャリストの講師をそろえてリアルタイムで授業をしていました。


そこに個別授業型の塾の先駆けが東進ハイスクールが風穴を開けました。


東進ハイスクールもそれまでは集団授業形式を取っておりいい講師を集めまくっていたのですが、あることをきっかけに個別指導へと方向転換したのです。

そのきっかけとはある東北の市での東進加盟校でのことで、小さな都市の小さな教室であるにもかかわらず、全国的に入塾者と継続者が突出して高かったそうです。

本部がその原因を探るとその加盟校では東進の衛星ライブ授業を録画し、欠席した人や授業を理解できなかった人に繰り返し見せていたのです。

今となっては授業を録画して何度も見る方がいいのは当たり前に思えますがリアルタイムの大画面で人気講師が授業する方が学習意欲も高くなると思われていた当時としては衝撃的でした。

衛星授業を録画してみせるというのはフランチャイズの契約違反に近いのですが、この録画システムが評判が良いためその塾はテレビデオを増やして、生徒がいつきても授業を見ることができる仕組みにしていったのです。

反対に大スクリーンで決められた時間に一度しか受けられない集団授業を受講する学生はいなくなっていったのです。

今はスタディサプリで時間だけでなく場所にもとらわれずに質の高い授業を何度も見れるようになってますが、そんな現代型教育の前身であったと言えます。

2、収益の面

個別学習塾が台頭した理由のもう一つは収益面です。

河合塾や代ゼミのようにたくさんの受験生を集めるためにたくさんの名教師を集め大画面、大教室を用意すると人件費、固定資産税、家賃と莫大な費用がかさみます。

ギャラの高い優秀な先生を雇ったり、全国展開するなら尚更です。

しかし、東進や武田塾のように一部のように優秀な先生に授業をしてもらい、録画にして全国の私塾にそれを使う権利を売れば大型スクリーンも優秀な先生の高額な人件費も広い土地代も家賃も払う必要はありません。

これが塾のフランチャイズ契約でその名義を私塾に貸す代わりに売り上げのロイヤリティの30〜40%をもらうことができます。

またフランチャイズ契約は私塾の方も大変助かる仕組みです。

私塾がわも大型スクリーンも優秀な先生の高額な人件費ももちろん、小さなテナントを借りれば済むのです。

特に田舎の方では生徒もそうですが、それぞれの教科のスペシャリスト教師を集めるのなんて至難の技です。

優秀な指導者を正社員として雇う代わりに勉強方法や学習管理をマニュアル化してあるので専門的な知識や指導経験は必要なく、軽い研修をこなすだけで現場に立つことができます。


現に東進や武田塾は受験生の学習管理や指導要員のほとんどを大学生のアルバイトでまかなっています。

また受験生からしても学校の先生よりも年の近い大学生の方が近所のお兄ちゃんお姉ちゃん感覚で親しみがわくのです。

これが個人指導型(マンツーマン)にまでなると費用対、時間対効果が悪くなるのです。

なぜなら問題を解く時間もずっと無言でついていなければならないし、先生が添削している間は暇を持て余してしまいます。

にもかかわらず、生徒一人につき先生を雇わなければなりません。

したがって、
@宿題のような形で映像授業を見せて問題を解かせる
A解いた問題を塾に持ってこさせてアルバイトの講師が三人ほどの生徒相手に添削
B間違っていた箇所を指導する

というような形で教師一人対三人が最適人数だと言われています。

3人が同時に問題を解き終わるということもなくタイムラグを利用して一人が問題を解いている間に講師が一人の問題を添削するという効率的な教室運営ができるのです。


<日本語学校もフランチャイズ化する!?>

ここまで大型塾の衰退に代わり、授業がメインではない個別指導型授業が主流になってきた理由について述べてきました。


実は授業をしない、自学自習型というのは他の教育でも最適解になりつつあります。

やる気スイッチグループはプログラミング教育事業に参入しましたが、タブレット端末でキャラクターを操作しながら正しいプログラミングコードを選択し、正解を選べれば先に進むというスタイルを採用しています。

教材ソフトが自動的に生徒の進捗状況に合わせて進め方を提示するので、講師はプログラミング経験がなくてもこのソフトについての研究を受ければ務まるということです。

良質な授業と指導マニュアルを全国に均一化がその理由でしたが、この流れは日本語業界にも来るんじゃないかなと思います。

日本語業界も塾業界と同じ構造上の欠陥があり、その解決策も塾業界と共通だと思えるからです。

日本語業界も一人の先生が一斉授業で文法を教えていますが、できない学生にとっては授業がわからないまま進んでいきどんどん置いていかれ、反対にできる学生にとってはもっと先に進みたいけどできない学生に合わせられて退屈な時間を過ごさなければならないという状況です。

一斉授業はできる学生にとってもできない学生にとっても時間と学費の無駄なのです。

ところが日本語学校も塾業界の流れにのり上手い人の授業を映像化し、それを各日本語学校に権利販売することでこの問題は解決しそうです。

日本語学校は慢性的な教師不足の状態(特に若い人)で人が育つ前にやめてまた新人が入ってきたら育ててというなかなか人が育たない構造なのですが、映像授業であればいい授業動画を使いまわせばいいのでその心配はありません。

ただし、アウトプットの場や遅れがちの学習者には指導が必要ですからそのために教室を使うという構造になるかもしれませんが、大きな教室は必要ないので現状の日本語学校は用件に当てはまらないかもしれません。
(日本語学校は教室の広さとか先生と学生の数を満たさなければなりませんから)

そうなるとティーチングする人は少なくて済み、コーチングが必要ですがそれも日本語が話せる人であればいいということになるかもしれません。

東進や武田塾が指導をマニュアル化して大学生のアルバイトに任せたようにです。

もし日本語学校が塾業界の流れを組めば多くの先生が必要なくなり、日本語教師の雇用条件は厳しくなってくるでしょう。

この流れを組まなければ日本語教師の雇用は保たれますが、反対に日本語学校の経営が厳しくなるでしょう。

まさに日本語教育はイノベーションのジレンマに直面しています。

人ごとのように書いていますが、この映像授業の権利販売は僕も挑戦して行こうかと考えており、目下水面下で行動中です。

おそらく中国で試すことになりそうですが、結果が出たら報告しようと思いますので、待っていてください。

それでは!

『代ゼミが負け、東進が勝ち、武田塾が伸びる理由』

2020.10.09 | コメント(2)

日本語教師は大学院に行くべきか、検定試験に合格すべきか (下)

今回は前回の続きです。

日本語教師は大学院に行くべきか、検定試験に合格すべきか (上)
http://hayato55.com/article/187979163.html

自分のキャリア論について話していたのですが、ちょっと社会問題も関わって話がでかくなりかけたので戻そうと思います。

まあ、ビジネスというのは社会問題の解決なので自分のキャリアの上で社会問題について考えるのは避けて通れないので参考にして欲しいところです。

今回はまとめというか日本語教師はどう生きればいいのかについて話して締めようと思います。

日本語教師としてキャリアをスタートして、片手間で物販で起業し独立しました。


もちろん順風満帆ではなく日本語の授業では細かい失敗をしたり、副業では最初は何十時間も時間をかけても売れないとか赤字の時期もありました。

しかし、挑戦していく中で成長はしてきたし、成長したおかげで今は身一つで生計を建てられています。

稼げなかったけれどサイト構築に挑戦したおかげで文章を書く習慣ができました。

海外輸出をしたおかげでオンライ授業の依頼を受けました。

オンライン授業をどうすれば質を高められるかを研究した結果、keynoteのアニメーションの使い方や動画編集のスキルが身につきました。

今は動画編集スキルやkeynoteのアニメーション作成技術で独自の日本語動画教材を作成しております。完成次第、Udemyや中国向けに動画教材を販売予定です。

挑戦し、その時はお金や成果につながらなくてもそこで得た副産物(スキルや人脈)が今の自分を支えてくれています。


これからの日本語教師、というか現代人の多くに言えますが、まず稼ぐことから逃げてはいけないということです。

教育者の人は「お金よりも勉強しろ!」となぜか稼ぐことを否定しがちですが、教育者だってきちんと稼がないとツールの勉強をしたり、サービスの改善ができなくなってしまいます。

現に日本語教師が稼げていないせいで若い人が来なくなり、年配のためのセカンドキャリアの場と化し、ICTによる効率化もなおざりになっています。

教育の意義が学生の自立なのであればまず教師が自分で稼げるようになり自立しなければなりません。

収入を上げるために「大学院へ行く」「検定試験に合格する」などは前の世代の人たちがやっていたことで絶対数は年々増えていくのです。

みんながやっていることをやっていても付加価値にはならないし、これから日本語学習者が減っていく中ますます厳しくなっていくでしょう。

正しい方向へ頑張らなければ報われないのです。


自立するためには繰り返しますが、他の人にはない付加価値をつけなければならないのです。

そうはいうものの何らかの指針は欲しい、教えてくれという人はいるでしょう。

なのでまずは時間を作るために常勤になるよりも非常勤講師になる方がいいでしょう。

そして開いた時間に時間の切り売りではなくブログや物販、動画やプログラミングなどレバレッジを利かせられるようなビジネスに挑戦した方がいいでしょう。


好きなことや得意なことがいいのですが、なかなか最初から没頭できるモノに出会えることもないかもしれないので、何となく続けても苦にならないことがいいと思います。

どうしても興味の対象がなければ物販がいいかもしれません。

理由は即金性が高いのと銀行や日本政策金融公庫などの融資が降りやすいことからで、今ならメルカリや楽天を使って小額から稼ぐ主婦さんも多くいます。

銀行融資を受けたいならまずは小さな成果を出してから融資に依頼した方が得策で、今なら驚くほど低金利で条件の良い融資を受けることができます。

それプラスその作業報告や成果をブログやTwitter、インスタグラム、Facebookなどで発信しましょう。

そうすれば誰かがあなたの頑張りを見てくれ、協力してくれる仲間になってくれるかもしれません。

同じ方向で同じ分野で切磋琢磨して頑張る仲間はかけがえのない財産となるでしょう。

最初はなかなか反応がないと思いますが、続けていけばちょっとした成果が現れます。

ブログならコメントがついたりアクセスが増えたり、インスタやTwitterならフォロワーが増えたりDMが来たりと言ったことです。

この小さな成果が出ればその道はあなたの道なので続ければ良いと思いますが、1年続けてこの小さな成果が出なければその道はあなたの道じゃないかもしれませんので諦めて別のことに挑戦してください。

1年以上継続して収入が増えたりSNSのフォロワーさんが集まってきていたら何らかのスキルがあなたについているはずなので、それを日本語教育とどう絡めるかを考えてください。


僕なら動画編集技術と絡め、日本語動画教材を作る道を選びましたが、ここまでくるとあなたしかできない付加価値を生み出せるようになっているはずです。

もし絡めなくても収入になっていたりいい人脈に恵まれていれば前よりも必ず人生は好転しています。

トヨタの社長の「終身雇用は難しい」発言やや三菱東京UFJ銀行などのメガバンクによる相次ぐリストラを敢行し、金融庁は「老後資金2000万は自分で用意してちょん」と発表しました。

国や名だたる大企業がもうみんなの面倒を見切れないと言っているのです。


望む望まざるにかかわらず、日本は衰退国家になり、究極の自己責任社会が待ち受けています。

今、頑張らなければ将来泣きを見るのはあなたです。

そうならないように最初の一歩を踏み出しましょう。

この記事を読んでいる皆さんのご健闘をお祈り申し上げて今回の記事を終わりたいと思います。

2020.10.04 | コメント(0)

日本語教師は大学院に行くべきか、検定試験に合格すべきか (上)


10月に入り、肌寒くなってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

最近、日本語教師のキャリア論を綴った記事がトレンドのようですので、それに便乗して僕の経験談でも書いてみようかなと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

日本語教師をやっていてぶち当たる壁は大体以下のようなものでしょう。

「検定試験は受けるべきですか」
「大学院に入るべきですか」
「養成講座で教案指導や模擬授業指導を受けるべきか」
「安定した常勤になるべきか」
「海外経験を積んだ方がいいのでしょうか」

結論から言うと「検定試験は合格して奥に越したことはないし、大学院は卒業しておくに越したことはないし、模擬授業の指導は受けないより受けた方がいい」と言うことです。


答えになっていないかもしれませんが、これが事実です。

「大学院にいく」「検定試験に合格する」「養成講座に行く」

これらは全てみんな通った道で、そのこと自体に価値はありません。

現にこれら全てをクリアしている人でも全然生活できていない日本語教師は多くいます。

収入をあげたいのであれば他の人にはない付加価値をつけなければならないし、そのためには他の人と同じことをやっていてもつきません。

どの道を選ぶかはさほど問題ではなく選んで道でどう付加価値を身につけるかが大事なのです。

僕は8年前日本語教師としてデビューして以来、その間自分でいかにして付加価値をつけていくかを常に意識してきました。

その間に副業を始めて軌道に乗せて2年前に現場を引退し、今は自分の事業で生活しています。


僕は養成講座終了組で日本語研究の大学院も出でなければ検定試験も合格していませんし、海外在住経験もない中、不安定な非常勤講師からスタートしました。

その時25歳で400万近くの奨学金の返済義務も抱えており、周囲から「日本語教師なんか食ないよ。しかも男性で・・・」と言われ続けましたし、今思えば絶望的な船出でした。

しかし、いざ仕事を始めてみれば収入に困ることはなく月収6桁超えているときも多くありましたし、そのおかげで400万近くあった奨学金も完済できました。

具体的に辿ったルートは以下です。

1、日本語教師、非常勤としてデビュー
2、非常勤を続けながら2年目から副業スタート
3、6年目に完全独立

まず僕が非常勤として日本語学校に就任したときはとにかく仕事にハマり、授業時間はもちろん授業準備にも熱中している毎日でした。

この頃から休日という概念は消えました。

熱中したおかげで1年目から僕の授業は評判がよく、僕が入った担当の先生たちから「佐藤先生の授業はわかりやすくて面白いって声が多いですよ」と言われました。

ただし、給与面では手取り13万くらいでこれでは家賃や奨学金の返済に回しているとこれでは生活していけないし、常勤になっても事務作業が苦手な僕には務まらないだろうし、時間だけ取られてしまう

2年目からは授業になれて少し余裕ができたので開いた時間に副業を始めることにしました。

どんな副業がいいかと考えたところ海外輸出に決めました。

理由はその時円安で(1ドル120円くらいだったかな)輸出ビジネスは割安だったことと日本語教師として海外につながりを持てばプラスになるのではないかと思ったからです。

あと、これは後から知ったのですが物販というのはブログやSNSと違って割と成果が出やすいのでそれもプラスに働いたかなと思います。

とは言え最初はなかなか成果が出ませんでした。

数十時間費やして不良品を仕入れてしまって赤字を出す、という何やってるかわからない月もありました。

「そんなこと資金もないのにどうやって?」

と思われるかもしれませんが、クレジットカードを使って商品を仕入れ、売れそうにない商品はカード決済日の前までに売って損切りして現金にしてそこからまた仕入れる、といった具合で回して行きました。

ネット時代だからこそできる技でAmazonが数字上赤字を出しつつも長年破産せずに快進撃を続けてきた原理と同じです。

その時日本語学校の勤務日は週3日でしたので、商品が売れていたら授業がない日に梱包、発送作業をして、あとの時間は授業準備に当て、通勤時間に仕入れをするという毎日でした。

そうして半年後から利益が出始め、1年後には日本語学校からの給料よりも副業で支払っている税金の方が高くなるほどでした。

そこでちゃんと開業届を出し、確定申告も行うようになりました。

この時日本語教師として勤務し始めて3年目くらいだったでしょうか。お金の悩みはほぼほぼ解決していたのですが、別の問題に直面していました。

ずばり、出稼ぎ留学生の問題です。

近年、出稼ぎ留学生の増加が問題になっていましたが、僕の勤務先も出稼ぎ留学生依存の学校でした。

初級で元気が良かった学生たちも中級クラスになると別人のように暗くなり、居眠りが増え、死人のような顔色で登校してくるのです。

学生たちに生活リズムを聞いてみると

「夜勤明けで来ました」
「おとといから寝ていません」
「休みの日はありません」

そんな学生ばかりです。

過労で疲労困憊になり、健康を害いつつもそれでも学費と生活費が足りないというのです。

疲労が蓄積し、睡眠も全くない状態で日本語の勉強どころではない学生ばかりだったのです。

日本は空前の人手不足でそれを補うために日本人だけじゃ足りず、外国人人材が必要。

でも、移民や正式な労働者として日本に来ることに対して抵抗がある国民が多い。したがってすぐに帰る留学生や技能実習生に労働してもらって人手不足の穴を埋める、

保守層が票田となっている自民党による政治的妥協の産物が出稼ぎ留学生や実習生だったのです。


日本語教師の仕事は外国人に日本語を教え、将来の選択肢を増やすことのはずでしたが、僕の現場では授業をすることでかえって日本語学習者を苦しめていたのです。

多くの先生たちは「学生は働きにじゃなくて勉強しに来てるんだから学校に来るのが当たり前だ。居眠りなどは厳禁だ」と割り切ってルールに従って疑問にもたない先生ばかりでしたが、到底僕には納得できませんでした。

働きに来ている学生のおかげで学校や日本の産業が成り立っているのにそこを無視しての建前論は欺瞞に思えたのです。

今の現場に居続ければ日本は近隣諸国との間に大きな歴史的な禍根を残すかもしれない、大いに葛藤し続けました。

結果、完全独立し、退職することを決意しました。

自分の仕事に矛盾を覚え、葛藤していくうちに現場に臨むモチベーションはどんどん下がっていたし、自分のスキルで食べていける収入と蓄えができたことも決断を後押ししました。


しばらく物販の収入と海外輸出で知り合ったお客さんのお子さんにskypeで日本語を教えていたので独立してもそれで生活しながら、次の仕掛けを作ることにしました。


それが日本語動画教材販売です。

(続く)

2020.10.01 | コメント(0)

10月の目標 〜中国で動画教材を販売開始します!〜


早いもので9月がもう終わります。

10月も慌ただしくなりそうなのでこれまでのまとめとこれからの計画について言語化しておこうと思います。

10月の目標は主に日本語の動画教材販売開始です。

販売プラットフォームはpetreonと中国の日本語動画教材プラットフォームです。

petreonとは小額クラウドファンディング型プラットフォームです。

petreon
https://www.patreon.com/

英語圏のプラットフォームなので日本ではあまり有名ではないですが、動画のコンテンツも投稿できるので挑戦してみようと考えています。

とはいえ僕は英語が下手なのでネパール在住で現在は日本語学校を経営している元学生にアカウント管理を一任しようと考えています。

ちょうどコロナで学生が減っているそうなので彼の収入源にもなればいいなと考えています。


・中国の動画教材販売サイト
https://jp.hjenglish.com/

これは中国の日本語学習者が使用している中国最大級のプラットフォームで、ライブ配信や個人授業、動画授業も受けられます。

ここで動画教材を販売していこうと考えています。

僕は中国語は全くできないので中国人の知り合いの社長か元教え子に販売してもらって売り上げの何割かを渡そうかなと考えています。

ここにきて昔の教え子との縁に恵まれていることが感慨深く感じてます。

できればUdemyでも販売し、Youtubeもはじめたかったのですが、ちょっとキャパオーバーだと思います。

初めてのことを二つやるので慣れるだけでも大変だと思いますのでまた再来月にでも持ち越しになるかもしれません。


とりあえず動画教材を投稿するプラットフォーム用に写真を撮りに行こうと思いますので、何か進展があったら報告したいと思います。

それでは! 悠々と急げ!

2020.09.27 | コメント(0)
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