日本語3.0

インフォメーション

読後 「イシューから始めよ」 〜イシューの設定を間違えれば不幸を撒き散らす〜

今日の書評はビジネスパーソン、研究者必読の「イシューからはじめよ」です。

『イシューから始めよ』

著者の安宅さんは東大大学院を出た後マッキンゼーに入社し、イェール大学に入り、現在は慶応の大学教授でかつYahooジャパンの重役というものすごい経歴の人です。


一昔前までは会社に来て仕事したふりをしていれば給料をもらえていたのですが、
コロナ禍ではリモートワークが当たり前になり、その結果いらない仕事が可視化されました。


それにより、ジョブ型と呼ばれるいわば成果主義型の働き方が主流になっていくと思われます。


時間給でダラダラ働くのではなく限られた時間の中でより良い生産物を産出していかなければ生き残れない時代なのです。


そのために最も大事な概念が「イシューの設定である」ということがこの本の要旨です。


学校ではいかに早く正解を出せるかが求められますが、社会に出ると正解がない、またはいくつもある課題に溢れています。

どんなアプリが売れるのか、売り上げを伸ばすにはどうすればいいのか、どうすればSNSのフォロワーが増えるのか、などこれらの問いには正解がありません。


大企業の社員や官僚は有名大学出身ばかりの人で問われた問題に対して正解を導き出すのは得意です。

しかしその結果、アベノマスクのような愚策が立案され、敢行されました。

アベノマスク5260億かかったそうですが、どう考えても失策です。

なぜそんな失策をしでかしたかというと実行した人たちではなくアベノマスクという政策自体に問題があったからに他なりません。

このように優秀な人たちが集まっても解くべき問題を見誤るととんでも無い損失が出てしまうのです。

イシューが大事だということはわかってもらえたかと思いますので、これから1、良いイシューの条件、イシューの見つけ方について述べていきます。

1、良いイシューの条件は本質的であること

本書では良いイシューの条件として本質的であることを挙げています。

本質的とはいくつか選択肢があり、イシューの見極めによってその先に大きな影響が出るものがいいイシューであるということです。


例えばある商品が売れないとして最も本質的なイシューは商品のコンテンツに問題があるのか、販売方法に問題があるのかということだと考えられます。

どちらかでアプローチ方法が全然違うため、ここを間違えてしまうと全く無駄な時間と人員、費用がかかってしまうのです。

したがって常に原点、本質的な部分に立ち返って常に「この前提は正しいのか」「常識にとらわれすぎていないか」自らに問い続けなければならないのです。

また、大前提の話としてそのイシューが解決できそうなものであるかどうかも大切です。

科学の分野では多くあり、双眼鏡を作れるような技術力がその時になければ地動説発見には至らなかったでしょうし、スマホもソニーの半導体がなければ開発は難しかったでしょう。

このように解決したい問題があっても解決手段となる技術がなければ解決しようがありません。


したがって理想的なイシューは「本質的であり誰もが答えを出すべきだと感じていても手がつけようがないと思っている問題に対して自分の手法であれば答えが出せる」ということになります。


2、イシューの見つけ方

では、具体的に良いイシューはどうやって見つければ良いのかというと現場に赴くことです。

現場こそ1番顧客に近く切実なニーズが汲み取れる場所で、まだ世間の誰もが知らない一次情報が汲み取れる場所だからです。


しかも、あなたの観察によって発見した一次情報であればオリジナリティもあり、前述した「誰もが答えを出すべきだと感じていても手がつけようがないと思っている問題に対して自分の手法であれば答えが出せる」イシューを設定することができます。


こうして良いイシューを見つければ割と答えは見つかったも同然です。(まあ、それでも大変と言えば大変なのですが)

アインシュタインも

「もし自分が死にそうになって助かる方法が1時間あるとするならば最初の55分は質問を探すのに費やすだろう」

と述べています。

しっかりと理想の姿を自分なりに思い浮かべ、試行錯誤していけばあなたの成果物の質は爆発的に上がるでしょう。



3、所感

「良いイシューを作る」

この言葉はありきたりなように聞こえるかもしれませんが、実は多くの会社組織でできていません。

僕は数年前までいくつかの日本語学校で日本語教師をしていたのですが、いわゆる出稼ぎ留学生に支えられた学校で多くの学生が 初級レベルのまま卒業していきました。


他の先生方は全くどうやって良い授業ができるのかばかり議論していました。

しかし、問題は授業にあるのではなく構造にあったのです。

つまり、授業以外の時間もずっとアルバイトに明け暮れているため授業に来ても寝てしまい、頭に入らないのです。

また、一斉授業であるためそんな日が数日続くと基礎がなっていない学生はどんどん取り残されていき、

イシューの設定を間違えた結果、初級レベルのまま多くの留学生を卒業させている日本語学校は多くあります。

日本語学校だけでなく教科書の内容が入らないまま、英語が全く話せないまま卒業させている日本の多くの学校にも同じことが言えます。

日本の教育機関は正しくイシューを設定できておらず、それが原因で何年も生産性のかけらもないことをやって多くの学生と自らの時間を無駄にしているのです。

正しいイシューを設定してそこからやるべき仕事を見つけていきましょう。

それがこれからの成果主義時代に生き残るための指針です。

それでは!

『イシューから始めよ』

2021.03.30 | コメント(0)

Youtube始めます。 〜学習者に日本語を教えるコンテンツを投稿予定〜

来月辛い来月からまたYoutubeを始めようと思います。

さて5年ほど前にやっていたのですが、ある日急にアカバンを食らいましてそれで頓挫していたのですが、再び始めようと思います。

どういうコンテンツかというと僕の日本語動画教材を使って実際に日本語を学習者に教えて、それを動画にするというものです。

動画教材の宣伝にもなるし、Youtubeが再生されるようになればあわよくば広告収入も得られるようになるかもしれません。

チャンネル登録者数が増えればメンバーシップ制度の導入もでき、マネタイズできます。

メンバーシップでは全ての動画教材の試聴と確認テストに挑戦することができるという特典をつけています。


そうなるためにはある程度の再生回数やチャンネル登録者数が必要ですが、そのための準備ももちろん怠っていません。

まず僕にはinstagramのアカウント3万5,000人、Facebookページのフォロワーが約1万5,000人、Facebookグループのフォロワーが5,000人、合計5万5000人のフォロワーがいるのでそこで宣伝しようと思います。

それらのアカウントでしつこく宣伝すればいくらか効果はあると踏んでいます。

日本語を学習者に教えるコンテンツにすると言いましたが、今のところ4〜5人くらいを採用してチームYoutuberのような形で運営していこうと思います。

そうすればそれぞれファンができるかもしれないし、さまざまな国籍の人を採用すれば学習者がそれぞれの国の言語でshareしてくれるかもしれません。

そこでその学習者を募集しようとインスタグラムでよびかけたところ、100人以上の志願者が来てくれて、今も毎日3〜4人がDMをくれているところです。

最終的には5人くらいしか選べないのでzoomでの面接で決める予定ですが、面接にしたって100人もできません。

そこで書類選考を行なって、ある程度人数を絞ろうと思い、年齢や国籍、性別、日本語を学びたい理由をDMで送ってもらいスクリーニングすることにしました。


面接によぶメンバーは20人くらいに絞り、今面接をしている最中なのですが、なかなか面白いメンツが集まっており、これはいいコンテンツになりそうだとワクワクしています。

僕のフォロワーさんはインドネシア人が1番多く、次に日本に住む外国人、アメリカ人、マレーシア人、インド人、と続くのですが国民性なのか5番目に多いインド人が1番募集が多いです。

次にインドネシア人、スペイン人やスペイン語圏の人、アメリカ人と続いている印象です。

しかし、ここは国籍によってばらけることなく平等に採用していこうと思います。


Youtubeで日本語を教えるコンテンツは今までなかったし、僕が学習者に教えている様子を動画にすれば多くの学習者が無料で日本語を学べます。

僕だけでなくYoutubeで彼らも多くの人の目に止まるようになれば将来プラスになるはずだし、どうなるかわかりませんが楽しみです。

仮説を立て、言語化する目的で今回は記事にしました。

日本の人口が減少する中、海外に活路を見出さなければ日本人は生きていけません。

特に日本語教師は日本語というコンテンツを販売できるのでそこが大きな強みだと思います。

しかも、英語圏の経済規模は日本語圏のそれの10倍だと言われていますが、日本語を広めることができるので縮小する市場を少しは食い止められるかもしれません。

継続して成果を発表したいと思います。

それでは!

2021.03.20 | コメント(0)

ティール組織とは? 〜教育機関への導入を考える〜

前回はティール組織がどういうものであるか簡単に説明しました。

『ティール組織』


従来の組織では社員はサボるものできちんと時間も場所も拘束し、監視しなければならない、そんな固定観念を打ち壊すのがティール組織です。


部署や上下関係をなくし、きちんと自由と責任、裁量権を与えれば社員は組織に所属していながら自立し、生き生きと働きだす、そんなティール組織の実態をご紹介しました。

僕も当初は最初から優秀な社員のみを集めているから収益が上がるのは当然じゃないかと懐疑的な見方をしていましたが、読み進めるうちにそうじゃないと確信しました。


環境によって人は育つと言いますが、自立性を促すような組織構造であるからこそ社員が成長し、会社への成長につながるのだと考えを改めました。

<社員の無駄遣いを防ぐ「助言システム」とは?>

さて、社員が優秀に育って効率化を図る意見が続出すると改善案が続出することになります。

「コピー機が欲しい」と社員が言い出し、全ての要求を飲んでいたらやはり収拾がつかなくなります。


そういった事態を防ぐためにティール組織で導入されているのが「助言システム」で、提案した人はそれに関わる人全てに助言を求めなければならないというものです。

形態は決まっておらず、現場での話し合いであったり、昼休み休憩であったり、会社で共有しているSNSの提示版かスラックなどビジネスチャットで問題提起し、その要求を飲むべきか否かを関係者間で議論します。


したがってみんなが安易な判断をするということはありません。

なぜなら、もし高価な機械でも導入して失敗でもすれば提案した人も助言を送った人も責任を問われることになります。

ピラミッド型組織と違って社員が組織全体を把握しているので責任の所在が明確なのです。

ティール組織では損害を被れば全員の給与や待遇に影響があるため、助言システムの元では安易な判断が下されにくいのです。


ティール組織によって全体を可視化し、個人に責任を持たせることで無駄遣いをも防ぐことができるのです。


<ティール組織が導入された教育機関>

ここまで読んで、ティール組織は自立を促し、自主経営を目指すもので人を育てるのに最適な構造だということは理解してもらえたかと思います。

ということはティール組織を教育機関に導入すればいいのではないかという考える人も出てくるでしょう。

その通りで実践例があります。

ドイツベルリンにあるESBZがそれでこのティール組織は学校教育でも導入可能で、ティール組織を採用している学校が紹介されています。


この学校では教師が壇上で一方的に話す一斉授業は一切行われておらず、FAVIが部署を廃止したのと同様、クラス制度をも廃止しています。

つまり、従来の学校のように人クラスに同じ年齢の学生が集められているのではなく7年生から9年生までが一緒の教室で学びます。

学生たちは自学したり、グループに分かれたりして上級生が下級生に勉強を教えたりすることで学習を進めます。

授業時間は決められていますが、多くの学校のように50分みんなが算数をやるということはなく、自分の得意な科目に対する勉強時間は減らし、反対に苦手な科目の勉強時間は増やすこともできます。

つまり、まさに学習者たちはどの科目をどのくらい勉強すれば結果に結びつくか学習マネジメントを養う力が求められます。


FAVI同様、全ての学生が学生であり教師であるのですが、どうしてもわからないところや遅れている学生がいたら、それをフォローするのが教師の主な役割です。

さらに「責任」「挑戦」と言った校外活動に参加します。

学生たちは「人前で恥ずかしがらずに話せるようになる」「クラスの〜君にチェスを教えて上達させる」などという目標を掲げ、自分が卒業した小学校でチェスの指し方などを指導したり、幼稚園で演劇を行ったりする学生もいます。


もちろん、成績、出席として認められ、中には自転車で旅行をする学生たちもいるということです。

学生たちは自分の持っている力をどう地域に貢献させるかに知恵を絞り、クラスメイトや教師はその手助けを行います。

こういった経験は社会に出ても大いに役立つことでしょう。


さらになんとESBZでは教師と生徒たちが一緒になって国家試験に合格するためのカリキュラムを設計しているということです。

日本のセンター試験のようなものでドイツでは12年生になると全国規模で実施され、その結果に応じて受けられる大学が決まります。

教師、学生が一丸となって外部のカリキュラムデザインの専門家を交えながら、合格への合理的な道筋を推敲し、カリキュラムを設定していきます。


教師経験もある学生がいるからなせることであり、究極のセルフマネジメントが学べ、漫然と学校を卒業する学生や卒業させる教師たちとは卒業後、雲泥の差がついていることでしょう。


ESBZは学習者の満足度も高く、優秀すぎて学校の勉強が退屈な学生や反対に従来の学校で居場所を無くした学生、移民で学校についていけない学生など多様な学生たちが在籍しています。



気になる収益構造ですが、教師たちの給与は市から90%支給されているものの校舎や設備の維持費、学生たちの活動費も全て自力で賄い、他の学校のように補助金や税制優遇措置なども一切ないということです。

学生たちが郊外活動を行う代わりに地域からの寄付金で賄っている、まさに地域社会とのギブアンドテイクの関係で成り立っています。


教育の意義が自立であるならば学生だけでなく教師も教育機関全体の自立を実現させた理想的な形であると僕は思います。


ESBZは短期間に驚異的な成果を挙げ、開講したときの生徒数はわずか16名であったものの数ヶ月で30名が集まり、数年で生徒数は500名に達したということです。


現在では生徒だけでなく世界の校長、教師、教育専門家が数百人も訪問しているということです。現代版教育のロールモデルとして注目を浴びている学校です。


<日本語学校への応用を考える>


日本語学校でも他の多くの学校と同じような構造的欠陥を抱えています。

すなわち一斉授業でできる学生はずっとできない学生はカタカナすら読めないまま中級の教科書まで進み、初級レベルの日本語も身につかないまま卒業する学生が多くいます。


特に国内の日本語学校であるならば日本語ができない人が日本社会にどんどん溢れていくというのは恐ろしいことです。


欧米では言葉ができない移民が仕事に就けずに最悪のケースでは犯罪に手を染めたり、犯罪に巻き込まれたりするケースが起きていますが日本でも今の状態が続くとそうなりかねないからです。


日本語学校でも学習効率の改善が急務なのです。

では、日本語学校にティール組織を応用するとしたらどう言った案が考えられるでしょうか。


例えばTwitterではどの教科書がいいのかを日本語教師の先生たちがしきりに議論していますが、教師が教科書を押し付けるのではなく学習者に選ばせるという手段が考えられます。


教師側も自分の教授法が1番活かせる教科書を選択し、授業を行うことで学習者も教師も自分に合った教科書、教授法で学習を進めることで学習効率向上が見込めるかもしれません。


事務と教師、教室という区分けも廃止し、SNSの使い方が上手い先生、もしくは外国語ができる先生はSNSで授業をしてフォロワーを増やせばそれを集客につなげることが可能です。

現在、コロナ禍でどの企業も集客に不安を抱えていますが、その不安を解消してくれる教師はどこでも重宝されます。

教授法だけでなくマーケッターとしての能力も磨ける教師にとってもキャリアアップ、収入アップが見込めるでしょう。


また、日本語学校はESBZ同様もっと地域社会との繋がりを構築すべきだと考えています。

地域社会に貢献する姿を地域人が見れば彼らを見る目が少しでも変わり、外国人への理解、援助が受けられるかもしれません。


以上、ざっと日本語学校にティール組織を導入するためのアイデアを書き出してみました。

長く難しく感じる本ですが、要点はまとめられたと思います。


難しいというのは難解、複雑という意味ではなく、価値観が合わず理解が追いつかなくなっている恐れがあるということです。

よほど頭がいい人でも価値観のアップデートが間に合っておらず、よくわからないという感想を持つ人もいるかもしれません。


この本を読んでチンプンカンプンだという人はその点を自覚し、読み進めればいいと思います。


2021.03.12 | コメント(0)

ティール組織 とは 〜社員全員が経営者の会社組織〜

『ティール組織』


東芝の一時期の赤字7000億円、アベのマスクで500億円拠出。

大企業や官僚組織のこういった施策を見て「バカだなぁ」と思ったことはあるでしょう。

しかし、大企業の役員も従業員も政府高官も高学歴でとても頭の良い人たちのはずです。

実際会って話をするととても理解力もあってコミュニケーション力の高い人が多いです。


にもかかわらず、相次ぐ大企業、官僚組織の失態、愚策の原因は人材の問題ではなくその構造にあるのです。

現在の多くの組織はピラミッド型のトップダウン式で、判断に時間がかかります。トップに行けば行くほど情報過多の状態で処理に時間がかかり、判断が遅くなります。

情報過多の中上層部も社員の要望全てを叶えるわけにもいかないので、その多くが却下されることになります。

社員としては会社を変える意見を出しても全く聞き入れられなければ改善しようとするインセンティブがなくなっていきます。

そうして小さな澱みが溜まっていき、沈殿し、硬直化するのがピラミッド型組織の特徴です。


多数決で決まったことというのは波風が立たない当たり障りのない決定になりやすくしかもそれに違を唱えるのは勇気がいることです。
もし失敗でもすれば集中砲火を浴びるし、責任を取らされるかもしれません。

決まったことに従っていれば責任を取らされることもないし、給料ももらえるので逆らう意味はなくなります。

また組織というものは大きくなればなるほど顧客の顔は見えにくくなり、自然と上司の顔色ばかりを伺うようになってしまうため真のニーズが汲み取れなくなります。


このようにピラミッド型組織というものが下した意思決定は質が低く、かつ反対しにくいものなのです。


そんな欠点のあるピラミッド型組織になっているのでしょうか。

それを知るためには組織変遷を辿るとよく理解できます。


従来型の組織は以下のように段階的に発展してきました。

・衝動型組織(レッド組織)
・順応型組織(アンバー組織)
・達成型組織(オレンジ組織)
・多元型組織(グリーン組織)

詳しく見ていきましょう。

・衝動型組織(レッド組織)

部族社会の首長制度などがこれに該当し、現在でもマフィア組織などがそれに該当し、頭の一声でグループや組織の方針が変わります。

ボスはいつも残虐性を示し、罰を与え、恐怖によって服従させなければなりません。


・順応型組織(アンバー組織)

農耕や家畜化に成功した人類は多くの食糧を保存することができるようになり、やがてさまざまな専門職を養成することができるようになりました。

日本でいうと士農工商などの階級制度などがそれに該当します。

レッド組織がトップにだけ強力な権限があったのに対し、階級を持つ者それぞれに権限があり、かつ教団などで決めたルールが存在し、トップといえどもルールを全く無視することはできません。

現代でも政府機関や官僚機構、軍隊、一部の公立学校などがこれに該当します。


・達成型組織(オレンジ組織)

近代に入り、出資者を募って利益を追求するいわゆる株式会社が誕生しました。

それまでの組織と違い基本的に実力主義です。

生まれ持っての家柄や階級などで役職を決めていると利益を追求できないため、役職も時にボスも入れ替わります。

個人中心のレッド組織と組織中心のアンバー組織に比べて地球規模のことを考える余地が出てきたのがオレンジ組織で、多くの株式会社特にグローバル企業がこれに該当します。


・多元型組織(グリーン組織)

オレンジ組織が台頭してくることで環境問題や格差問題など様々な社会問題が生じてきました。

オレンジ組織が台頭してくることによって引き起こされた社会問題を解決する組織として利益ではなく社会的イシューの解決や組織文化を重視する組織が出現しました。

これが多元型組織(グリーン組織)で、社会起業やNGO、NPO活動などがこれに該当します。

資本家からお金を寄付してもらったり、税制優遇を受けることで活動の糧としており、企業のような役員などの序列や上下関係はなく、一人一人の職員に比較的フラットで裁量権の与えられているのが特徴です。


以上、従来型の組織について簡潔にまとめました。

組織形態は時代とともに進化してきたのですが、前身の組織が滅んだわけではありません。

オレンジ組織の中にもグリーン組織やレッド型組織があるということもあり得ます。


どれが絶対的に優れているということではなく、時代や環境に応じて適した組織形態があるということで、例えば部族間同士の争いが絶えない環境であればレッド型組織が適任でしたが、資本主義社会においてはオレンジ組織が最適だったということです。


グリーン組織を除くと全てピラミッド型組織ですが、特にグローバル企業は商品を作る際、会社のようなしかも大企業のような大きな組織で一人一人が違う考えや違う行動を思い思いにとっていたら統制が取れなくなってしまいます。

したがってこれまでの組織ではピラミッド型組織が最も適した組織形態だったのです。

しかし、現代の変化の激しい時代になると意思決定に遅れが出る組織は死活問題で、冒頭のような問題、つまり

・上層部まで情報が行くのに時間がかかり判断が遅くなる。
・組織が大きくなると顧客の顔が見えなくなりニーズが汲み取れなくなる。
・責任の所在がわからず時に不合理な決定でも決定が覆らなくなる。

というようなことが起きるようになります。

しつこいようですが、全てを上層部が判断しなければならない体制というのは意思決定に時間がかかるのは明らかに時代にそぐわなくなってきているのです。

グリーン組織はオレンジよりは一人一人の職員に裁量権があると言っても非営利組織であり、利益を積み上げて資本投下して事業を拡大するのは限界があります。


では現在はどのような企業・組織形態が最適解なのでしょうか。

細かな役職もなく個人に責任と意思決定権があり、かつ利益も追求できる、そんな夢のような組織形態が存在するのです。


それが本書で扱っているティール組織(進化型組織)です。


オレンジ組織までは人間を機械と捉え、組織の方針を決めるのはあくまで経営陣ですが、ティール組織は組織を生き物であると捉え、社員一人一人が情熱と自主決定権を持つのです。


ティール組織の理念は以下の3つです。

・セルフマネジメント(自主経営)・・・自ら目標を掲げ組織運営に関わる
・ホールネス(全体性)・・・個人のありのままを尊重し、受容する。
・エボリューショナリーパーパス(進化する目的)・・・組織の存在目的を追求し続ける。


つまり、個人が個人の欲求を探求し、主体的に行動し、組織は個人の意見や個人を尊重して意見を取り入れて社会的意義のある仕事をなしていく、そんな理想的な組織形態がティール組織なのです。


イメージとしてはグリーン組織の自主性とオレンジ組織の収益性のいいところをそれぞれ取り入れたシステムなのです。


これだけ言われても何のことかわからないと思うので順に詳しく具体例を上げながら説明します。

FAVIはフランスの製造業で、元々水道管の蛇口を作るメーカーとして創業しましたが、現在は売り上げの大半を自動車製造用のギアボックスフォークを占める、電子機器メーカーへと転身を遂げました。

製造業といえば筋金入りのピラミッド型組織のイメージですが、FAVIも御多分に洩れず営業部門、製造部門、技術部門、人事部門、企画部門と部門別に別れていました。


以前は顧客からの注文はまず営業部に届いており、企画部が予想される出荷日を営業部に指定し、いつどの機械が必要になるか計画し、運転期間を確保、人事部がその期間と注文数に従って作業員を配置するという流れでした。

当然、現場作業員たちは注文表の内容も、特定の日に自分がこの商品を割り当てられているかも、この商品でどのくらい利益が出ているかなども知る由がありませんでした。

他の多くの工場と同様にただ決められた日と時間帯に出社し、言われるままに作業をしていたのです。

デスクワーク組も然りで工場の状況をほとんど把握しておらず、注文に間に合いそうかどうかそれぞれ部門ごとにブラックボックス化されていたのです。


しかし、トップが変わってティール組織を導入決定後、部門と役職を全て廃止し、代わりに15〜35名のチームを21つくりました。

営業部や人事、製造部などの仕事はそのチームに振り分けられました。


ホワイトカラーのデスクワークと工場の製造員という括りなくなり、21チームの誰かがそれぞれの仕事を担当することになりました。

今まで工場員たちがホワイトカラーの仕事をするようになり、反対にホワイトカラーの従業員が工場の仕事をするようになり、上から指示を待つ、出されるということがなくなりました。


現場とデスクの垣根がなくなったおかげで見えるかが進み、全員が「発注を受ける→人員を配置する→工程を組み製品を生み出す→顧客に納品する」という流れを理解し、共有できるようになったのです。

仕事のための部署ではなく部署のための仕事が大量にあったのですが、部署がなくなったことで会社にとって有意義な仕事に集中できるようになりました。


定期的な無駄なミーティングはなくなり、代わりに現場で

「商品単価を1セント上げるためにはプロセスを改善したり、生産性をあげたりできないか」

というような話し合いが日々現場で行われているということです。思いついたことはミーティングの時には忘れているもので、すぐにその場で話し合ったほうが得策です。


まさに自主経営、従業員全員が経営者になったのです。

その結果、現在ギアボックスの市場シェア50%を誇るまでになり、利益率もトップクラスで給与も業界水準の遥かに上で社員の離職率ゼロという驚異的な数字を誇っています。

さらに過去25年間顧客への納期に遅れたことが一度もない業界の優良企業として知られ、多くの競合他社が人件費の安い中国に拠点を移す中、唯一欧州に拠点を置き続けて従業員の雇用を守った伝説的な会社なのです。

むしろ、従業員たちは競合他社や自社の財政状況についても知っており、中国との競争にさらされている中、効率化を図らなければ競争に敗れ自らの職を失うという事実も従業員同士で共有されています。

製造業といえば低賃金労働のブルーカラーに支えられているというイメージがありますが、そんな定説を覆す画期的な組織改革といえます。

社員も自分が主体的に考えて改革し、無駄を省くような工夫をチームに提案していけば昇給も待遇アップも望めるので自然と前のめりになって仕事に臨みます。

ピラミッド型のように意見を言っても聞き入れらない、上から現場を無視した指示が降りてくると言ったこともないので改善するための議論が活発に行われます。

ティール組織を導入し、みんなが主体的になって創意工夫を凝らし、日々改善を重ねている組織と

「一生懸命やっても給料は変わらないから勤務時間無難に終わらせることだけ考えよう」

従業員の大半がそう思って働いている会社と比べたらどちらが全体的な業績が上がるのかは自明です。


日本でもブラック労働や外国人技能実習制度など安い賃金で奴隷のように働かせている企業が深刻化してきていますが、きちんとした制度設計をすれば収益が上がる構造を作れるのはFAVIのティール組織が証明しています。

低賃金で強制的に働かせるというのは従業員のためにも会社のためにもならず、社員のモチベーションを上げることが肝要になってくるのです。

その社員のモチベーションを高めるのがティール組織の自主経営の理念であり、それがひいては会社全体の利益や存在意義につながるのです。

ティール組織を導入している会社によっては社員が機械社屋のデザインやデスクや椅子の種類まで決めることができるということです。

さながらスタートアップ企業の社長のように自分のオフィスをデザインできるため自分の会社、オフィスであるという実感が社員全員に行き渡ることでしょう。

ここであなたはある疑問が湧いたのではないでしょうか。

つまり、現場で多くの意見が出るのはいいが、それを全部聞き入れていたら大変じゃないかということです。

確かに全社員が数百万もする機械や設備を次々に要求してきたら、いくら収益せいが高いティール組織とはいえ破産してしまいます。

しかし、その心配はありません。

ティール組織にはある機能がついており、それが社員の意見を調整する機能を果たすのですが、ちょっと長くなったので次の記事に譲ります。


次回は多くの意見を調整する機能とは何か、日本語学校での応用は可能かについてまとめようと思います。

それでは!

2021.03.05 | コメント(0)

教育に金がかかる時代は終わったという話

どうもこんにちは

ちょっと前の話ですが、衝撃的だったツイートがあったので、いつか紹介しようと思っていました。



まあすごいですよね。1月だけで30万円。。。

このツイートに対してリプ欄には

「両親に感謝ですね」
「こんなんじゃ絶対に子ども産もうと思わないし、少子化止まらない」
「裕福な家庭しか行けず教育格差が広がる」

そんなコメントが溢れていました。

え、そこ?ww

「何でスタディサプリとかYoutubeで勉強しないの」っていうリプはほとんど見られませんでした。

スタディサプリだったら月額千円くらいで超一流講師の授業を何度も聞くことができますし、英語であれば自分の進捗具合にあったレベルで会話授業に参加できます。

なぜ一度しか聞けない、しかも学習効率の悪い集団授業に参加するために1ヶ月30万円の塾代が必要なのか、そしてそれにお金を払う親がいるのか理解不能です。


前から何度も言っていますが、現在質の高い教育にはお金を払わなくて良くなっています。

ヨビノリさんのYoutubeだけを見て高校レベルの物理の勉強をしている小学生の話が話題になりました。

数学検定1級に9歳で最年少合格した少年に会ってきた話
https://note.com/yobinori/n/nf00745ab61d9


武田塾は授業をせず、教室は先生に質問をしたり、学生に勉強法を紹介するなど学習管理をする場所にしています。

他の塾も家で宿題をやってきて塾で答え合わせをしながら質問をしたりして理解を深めるという反転授業のような形が主流になってきています。


一斉授業というのは完全に非効率で現在では完全否定されている形態です。


留学だってそうです。


以前、ホリエモンが「留学なんてしなくていい」と発言したら「留学で得られるものがある!」と脊髄反射する人が多くいました。

しかし、今の時代YoutubeやTEDで生の英語に何度も触れることができます。

そういうと今度は「留学して現地での生活から得られるものもある」という人もいるでしょう。

しかし、人脈を得たいのであればこれもSNSで十分です。

僕もSNSで知り合った人にヒンディー語などの通訳をしてもらって報酬を払ったりしています。

逆に海外に高い学費を払って行ってたまたま出会うクラスメイトや教授に期待するなんてどう考えてもリスクが高いと思います。


おまけに日本人留学生は高い学費払って海外に行っても日本人同士でつるんで結局英語を話せずに帰国する人も多くいます。


そんなふうにただ海外生活という経験を得たいのであれば観光ビザで十分で、わざわざ数百万も学費を払って留学するのはコスパがいいとはいえません。


治安の悪い国に留学して殺された人だっています。

どうしても海外の学校じゃないと履修できない授業があるとか強力な目的意識がなければやめた方がいいでしょう。(特に語学留学)


結論、教育にお金がかかる時代は終わったということです。

親はお金をかけるのではなく知恵を働かせれば子供に上質な教育を与えられる時代なのです。


親の知能やリテラシーは子供に遺伝すると言いますが、親が何も考えないでお金だけかけていれば子どもも何も考えない大人になってしまうかもしれません。


全国のお父さん、お母さん、子どもの教育に力を入れたければ金を使わず頭を使って自らを教育するところから始めましょう。


2021.02.24 | コメント(0)
テキストや画像等すべての転載転用販売を固く禁じます
Copyright © 日本語3.0 All Rights Reserved.